昨年8月、島根県松江市内の国道485号で発生した死亡事故について、松江地検は9月29日までにクルマを運転していた20歳の女(事故当時19歳、仮免許)を自動車運転過失致死罪で。助手席に同乗していたクルマの所有者である24歳の男を過失致死罪で略式起訴した。
同乗者の過失責任を問うことは珍しいが、検察は男が監視義務を怠ったことを理由としている。
問題の事故は2008年8月11日の午前3時45分ごろ発生した。松江市東朝日町(N35.27.44.8/E133.4.3.9)付近の国道485号に架かる「くにびき大橋」を走行中の乗用車が路外に逸脱し、中央分離帯に設置されていた街灯柱に激突して大破。後部座席にシートベルト未着用で同乗していた男性2人と女性1人が全身強打で死亡している。
クルマを運転していたのは19歳(当時)の少女で、仮免許での運転。クルマは助手席に同乗していた23歳(同)の男が所有するものだった。少女は家裁送致されたが、家裁は「刑事処分相当」と判断していた。
検察は「事故は速度超過と脇見運転が原因で発生した」と結論づけ、現在は20歳となった女を自動車運転過失致死罪で略式起訴。クルマを貸していた助手席同乗者の男についても「運転指導を行うことなく、後部座席同乗者との会話に夢中になっていた。前方も見ていなかった」と判断。過失致死罪で同様に略式起訴した。
同乗者が起訴されるのは異例だが、検察は「運転者が仮免許だったことや、クルマを貸したことを重視した」と説明している。