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【日本郵便 EV インタビュー】10年で3000台をEVに
「EV(電気自動車)元年」と言われる2009年。7月23日にはリチウムイオン電池を搭載した新世代EV、三菱『i-MiEV』とスバル『プラグインステラ』の納車が始まった。
23日にEVを受け取った企業、自治体の中に、EV導入を積極的に推進する方針を打ち出している郵便事業株式会社、いわゆる日本郵便があった。すでにEVに改造した集配用車両の運用実績を重ねている同社は今後、10年で3000台のEV導入を目論見る。その日本郵便の車両担当としてEVの購入や運用を手がける平井賢史氏に話を聞いた。
----:新世代EVであるi-MiEVとプラグインステラの納車が始まりましたね。
平井:ええ。両モデルとも昨年の洞爺湖サミットの時に、実証試験モデルを送迎や集配に使用するなど、なじみのあるモデルです。サミットの時はi-MiEVは4人乗りのままで送迎などに、プラグインステラは2人乗りとして後席空間を荷室に改装し、集配に使っていました。今回は両モデルとも4人乗り。主に東京、神奈川などの大都市圏で1.5リットルクラスの乗用車に置き換えることになります。
----:i-MiEV、プラグインステラとも、補助金を入れてもまだ300万円以上と高価です。EVを導入する意義はどこにあるのでしょうか。
平井:EV導入の最大の理由、やはりCO2(二酸化炭素)排出量を削減することと、それに伴う企業イメージの向上ですね。我々は今日、軽自動車の集配用車両2万2000台、および大口顧客向けサービスなどのための普通貨物車を2000台の、計2万4000台を保有しています。運送は膨大なCO2を排出する業務。日本郵便がそれを削減していくための具体的な行動のひとつが、EV導入であるわけです。
----:日本郵便ではすでに、集配業務用の車両としてスバル『サンバー』をベースにゼロ・スポーツがEV化したものを運用していますね。
平井:集配業務用としては、十分以上の性能を発揮しています。実は郵政省時代の90年代にも、鉛バッテリーを搭載したEVを導入していたのですが、すぐに電力不足になってしまう上、郵便物を満載しているときの動力性能も十分でなく、ドライバーの評判は非常に悪いものでした。この集配用車両を配備するとき、「本当にまともに走るのか」といぶかるドライバーが多かったのですが、実際に乗ってみたら、低速トルクが非常に強力であるなど、EVがむしろ優れているとする声もあったくらいです。
----:これから10年間で3000台をEVに置き換えていくという構想を持っているそうですが。
平井:日本郵便の場合、車両の程度にもよりますが、10年くらいで車両を入れ替えるというケースが多い。そのうち1割強をEVにしていくというイメージです。ただし、それを実現するためには、自動車メーカーさんが郵便物の集配に使えるようなワンボックスタイプのEVを作ってくれることが前提。その動きは今のところありませんね。洞爺湖サミットのとき、プラグインステラを集配用に使ってみたのですが、ワンボックスなら荷室にファイバー(郵便物を入れるケース)が6個入るところ、プラグインステラには3個しか入りませんでした。やはり、本格的に集配に使うには、ワンボックスタイプのEVであることが必須です。
----:EVはまだ、本格的に走り始めたばかりです。そうしたニーズの多様化に応えるモデルは、しばらく登場しないかもしれません。
平井:我々も、新しいEVをどんどん試して、大々的に導入して大丈夫かどうかをテストしていかなければなりませんから、焦って導入しようとしているわけではありません。自動車メーカーさんにはなかなかわかっていただけないのですが、とくに集配用の車両は発進、停止のサイクルが他の用途と比べても格段に多く、クルマに大変なストレスがかかります。本当に何年も使えるかどうかは、使ってみなければわかりませんからね。もっとも、貨物EVについては、我々が運用を開始しているワンボックスEVと同じものが欲しいという要望が、EV架装担当のゼロスポーツさんに多数寄せられていると聞いています。EVが使えるクルマであることが知られ、ニーズが顕在化すればメーカーさんも動くことでしょう。
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