先代に見られたノーズ重さがきれいに姿を消しノーズの動きがグッと軽快になっている。
4WDモデルの「クワトロ」は、前後重量配分の改善だけでなくトルク配分も基本、前40対後60となったことでアンダーステア傾向もグッと少なくなっている。その結果、ものすごく気持ちよく曲がるクルマになった。だからと言ってピキピキ動くような過敏な操縦性になっていないところがいい。
アウディと言えばクワトロといったイメージが強いが、FFモデルとなる「1.8T」の出来がいいのも新型『A4』の特徴だ。精度感の高い操縦性としっとりとした乗り味を持っており、魅力的なセダン(ワゴン)に仕上がっている。
搭載する1.8リットルエンジンはFSI化したことで高圧縮比を可能にし、ターボとの相性が高まっている。出足から力強い加速を見せてくれる。しかも、15km/リットルをコンスタントにマークする燃費のよさも備えている。
ワゴンモデルのアバントはアウディ得意科目。ラゲッジスペースの作り込み、使い勝手の良さは新型でもきっちり継承されており、これに加えバランスの良いエクステリアデザインも魅力のひとつと言えると思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
斎藤聡|フリーランス・ライター
学生時代に自動車雑誌の出版社でアルバイトを始め、それが高じて自動車雑誌編集部員となり、その後フリーの自動車ライターとなって現在に至る。クルマの「走る(走らせる)」という点に興味があり、走らせることの楽しさ、面白さを中心とした試乗レポートが多い。守備範囲は、軽自動車からセダン、RV、スポーツカー、チューニングカーまでなんでも。また、安全運転にも興味があり、安全運転スクールのインストラクターも務める。COTY選考委員。