原油価格や材料費などの高騰により、自動車メーカーは厳しい経営を迫られているが、窮余の策として浮上するのが車両価格の値上げだ。
すでにクライスラーグループは2008年モデルから2%の値上げを発表。同時に購入後3年間のガソリン価格を2ドル99セントに抑えるキャンペーンも実施中だが、それでも大型SUVなどの売り上げは思うように伸びていない。
そんな中、GMも09年モデルの価格を平均で3.5%値上げする事を発表した。こちらもインセンティブが込みで、6月24日から0%金利ローンのキャンペーンを開始する。
0%金利の内容は従来のものよりも踏み込んだもので、すべてのGMブランド車に適用、さらに期間は72か月まで可能だ。これまでの同様のキャンペーンは最大60か月、また利用できるモデルが限られていた。さらに09年モデルだけでなく、08年モデルも80%が対象になるという。
また、リースよりも買い取りを選んだユーザーには500ドルのキャッシュバック、キャデラック『エスカレード』、サーブなどのラグジュアリーブランド、ハマーについては別個に1000ドルのキャッシュバックキャンペーンも展開する。
その一方でGMはピックアップトラック、大型SUVなどを今年後半に17万台生産削減するプランも発表。その分を小型乗用車やクロスオーバーなど4万7000台の増産に充てるという。増産が予定されているのはポンティアック『G5』、『G6』、シボレー『コバルト』、『マリブ』、サターン『オーラ』など。
そして売却の噂が出ているハマーブランドについては新たにシティバンクを相談役とし、今後について協議する見通しだという。
各社の涙ぐましい在庫一掃の試み、成功したかどうか、今年後半の数字を待とう。