2 | タイムスリップ感覚も |
ATM社は、貸し切りにも対応しているという。線路を行く、ミラネーゼのおしゃれな納涼屋形舟---。ムードのないボクは、そんなキャッチを勝手に思いついた。それはともかく、観光とはいえ車内でのんびり食べるカルチャーが今も味わえることは、なんとも微笑ましいことである。
なお、アトモスフェラに供される車両は、市内の保管庫でも最も古いテオドージオ通りの電車区で、熟練職人によって改装されたものである。そしてメインテナンスも選りすぐりのベテランスタッフによって行われているという。
ザガートの原田則彦氏がデザインしコンパッソ・ドーロ(金のコンパス)賞を獲得したモダーン市電「ユーロトラム」とも時折すれ違う。過去と未来でタイムスリップするような瞬間だ。
あまりにミニ知識を披露しすぎて彼女からオタク扱いされ、130ユーロをふいにしないよう御用心を。
アトモスフェラ予約用フリーダイヤル(イタリア国内からのみ)
800 80 81 81
喰いすぎ注意 |
筆者:大矢アキオ(Akio Lorenzo OYA)---コラムニスト。国立音楽大学卒。二玄社『SUPER CG』記者を経て、96年からシエナ在住。イタリアに対するユニークな視点と親しみやすい筆致に、老若男女犬猫問わずファンがいる。NHK『ラジオ深夜便』のレポーターをはじめ、ラジオ・テレビでも活躍中。主な著書に『カンティーナを巡る冒険旅行』、『幸せのイタリア料理!』(以上光人社)、『Hotするイタリア』(二玄社)、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)がある。