仏ルノーは、欧州メーカーでは初の試みとして、インドにおけるデザイン拠点を強化中だ。その拠点とはマハラシュトラ州ムンバイにある「ルノー デザイン インディア」。同社にとっては、パリ、バルセロナ、ブカレスト、韓国に続く5つめのサテライトデザインスタジオである。
主な業務は、インド市場および周辺地域向け仕様に関するデザインだ。2005年に開設され、すでに2006年ジュネーブモーターショーに、コンセプトカー『ローガン・ステップ』を発表している。また、インド伝統工芸のひとつであるテキスタイルを、車の内装に応用する作業も行なっている。
なお、ルノーは今年4月、現地のマヒンドラ社と合弁で、ワールドカー『ローガン』の生産を開始している。
現在ルノー デザイン インディアのスタッフは6名で、うち5名はインド人。これからも有能な人材を広く募る予定だ。
その一環として、このたび自動車誌『オートカー』の後援で、「IndDesign」と名付けたデザインコンテストを開催。最優秀者にはルノー デザイン インディアでの3カ月のインターン研修資格を与える。
ちなみにインドには、元GMのスタイリスト、ディリップ・チャーブリアが主宰する「DCデザイン」が既にデザイン活動をしており、ジュネーブモーターショーへの出品実績もある。インドはデザインの拠点としても、飛躍の可能性を秘めてきた。日本人デザイナーでも「我こそは」と思う向きは、悠久の地を目指してみては。