レクサスを生産している愛知県田原工場はトヨタの工場の中で別格の存在である。そのコンセプトは「最先端生産技術」と「匠の技」の高いレベルでの融合で、品質チェックについても半端ではない。

匠の技をデジタル化した高精度の検査機器を使い、各工程ごとにチェックが行われている。たとえば、エンジン工場では要所に品質保証ゲートが設置してあり、レクサス技能認定を受けた従業員が厳しい目で検査に当たっている。そして、エンジンが組み上がると、1台1台検査ルームに入れて、実際にエンジンをかけて音のチェックや周波数解析を行っている。

また、車両工場では「光のトンネル」と呼ばれる設備が設置されて、そこでさまざまな光が当てられ、塗装にムラがないか、あるいは車両にキズがないか検査が行われる。

そして、クルマができあがると、自動キズ検査ということで、精密なカメラで1台当たり1200コマの写真が撮影され、それが検査PCに送られて、問題がないかチェックをする。

しかし、機械では感性など微妙なものについては計ることができないため、匠の技を習得した従業員がクルマをなめるように検査を行う。このほか、テストコースでの走行検査をはじめ、数多くの検査が行われていることはいうまでもない。

このように、レクサスの生産現場は検査の連続で、製造より検査のほうにかける時間のほうが長いと思えるほどだ。おそらくトヨタが行っている従業員の人間ドックでも、これほど入念なチェックはしないだろう。
《山田清志》