福岡県警は4日、飲酒運転起因の事故を隠蔽するため、事故後に酒を飲んだとして46歳の男を業務上過失傷害の容疑で逮捕した。男は事故後の飲酒を主張しているが、警察では「飲酒した理由に整合性がない」として、男を厳しく追及する方針だ。
福岡県警・八幡西署によると、事故が起きたのは4日の午後7時40分ごろ。 北九州市八幡西区町上津役西4丁目付近の国道211号で、信号待ちをしていた乗用車に対し、後ろから走ってきた軽トラックが追突した。この事故で乗用車を運転していた30歳の男性と、同乗していた21歳の女性が首などを打撲する軽傷を負った。
クルマを運転していた男は事故直後、近くのコンビニエンスストアに走り、焼酎のワンカップを購入。事故現場でこのうち半分ほどを飲み、駆けつけた警察官に対しては「事故を起こして腹が立ったから酒を飲んだ・飲酒運転ではない」として、飲酒運転の事実を否定した。
しかし、男は足がふらつき、ろれつが回らない状態。アルコール検知の結果、呼気1リットルあたり0.7ミリグラムのアルコール分を検出したことから、警察では「男は事故前から大量の飲酒を行っていた可能性が高い」として、業務上過失傷害の容疑で逮捕。飲酒運転については別途調べを進めることになった。
事故後にいわゆる「重ね飲み」を行い、飲酒量の特定を困難にする悪質な行為は年に数件あるといわれている。警察では「かなり悪質なケースであり、厳しく対処する」と話している。