霊柩車の基礎知識---お盆特集:ご先祖様を送ったクルマ

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★貨物自動車だが尊厳を損なわず

今年もお盆休みがやってきた。もともとお盆はご先祖様が戻ってくる日だ。そのご先祖様の多くが、この世から旅立った時に乗ったのが霊柩車。バス、トラックなど、業務用自動車ファンの多い中、霊柩車は趣味の対象に含まれにくい側面があるが、お盆にふさわしいクルマの話題として、霊柩車の基本的知識や、業界の動向を調べてみた。

取材にご協力いただいたのは、社団法人全国霊柩自動車協会の柴山専務理事。この協会は霊柩自動車運送事業者の団体だ。人間の死という、尊厳の確保が最も必要とされる場において重要な役割を果たすこと、また、自然災害や交通災害の場において、犠牲者とその家族に対する適切な対応が求められることから、極めて公共・公益性の高い事業となっている。その発展のため昭和50年に国土交通大臣より社団法人としての許可を受けた。

民法上の規定では、「人間」は死を境に「物」に変るので、遺体を輸送する霊柩運送事業は、貨物自動車(トラック)事業の仲間と位置づけられている。しかし、遺体を単なる「物」と考えるのには無理がある。そのため全国霊柩自動車協会では、人間の死という、家族にとってとても重い出来事の中で、いかに人間としての尊厳を損なわず、遺体を搬送する役割を果たせるかに最大限の配慮を払っているという。

その気持ちの現れが荘厳な霊柩車だ。霊柩車には主に4タイプがある。御輿を乗せたような「宮型霊柩車」、リムジンのような「洋型霊柩車」、黒塗りのステーションワゴンのような「バン型霊柩車」、遺体と遺族を一緒に運ぶ「パス型霊柩車」(主に北海道、東北、新潟などの寒冷地で活躍)だ。

現在、国内には約1万1000台の霊柩車がある。そのうち全国霊柩自動車協会に登録されているのは6202台(2005年7月22日現在)で、毎年約200台ずつ増える傾向にあるという。比率は宮型32%、洋型14%、バス9%、バン型45%となっている。バン型が多いのは意外だが、宮型、洋型、バス型が儀式用なのに対して、バン型は病院から自宅や葬儀場まで遺体を運ぶのが主な仕事。つまり24時間態勢で動けるようにしなければならないので計画的な配車ができず、ゆとりを持たせるためには必然的に台数が多くなるわけだ。

★貨物自動車だが尊厳を損なわず
★宮型霊柩車のルーツとデザインの変遷
★霊柩車の運転手になるには
★霊柩自動車運送業界の未来

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