驚かそうと思った…泥酔で運転の男に懲役刑

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泥酔状態でクルマを運転中、道路を歩いていた2人の少女をクルマではねて重軽傷を負わせたとして、危険運転致傷罪に問われた20歳の男に対する判決公判が1日、青森地裁で開かれた。裁判所は被告に対し、懲役2年2カ月の実刑判決を言い渡している。

問題の事故は今年8月21日に発生している。同日の午前5時35分ごろ、青森県青森市三内丸山付近の市道で、道路を歩いていた15歳と16歳の少女が、路肩に向かって真っ直ぐに突っ込んできた乗用車にはねられた。この事故で16歳の少女が頭を強く打つ重傷を、15歳の少女も軽傷を負った。

警察では乗用車を運転していた20歳の男を業務上過失傷害と道路交通法違反(酒気帯び運転)などの容疑で逮捕した。男は飲酒運転の事実を認め、当初は「ハンドル操作を誤った」と供述していた。

ところが後に「2人をナンパしようとクルマで接近し、直前で停止して驚かせようとしたが、ブレーキのタイミングを誤って突っ込んだ」と供述を一変。事故は過失によって起きたのではなく、歩行していた2人へ故意に接近しようとして起きていたことがわかった。

男は事故当時に泥酔状態で、正常にクルマの運転ができない状態だったことも大筋で認めたため、警察では容疑を危険運転致傷に変更。検察もこれを受けて同罪で起訴していた。

1日に行われた判決公判で、青森地裁の高原章裁判官は「酒に酔っていることを自覚しながら無謀な運転をするなど順法精神の欠如が著しく、被害者の肉体的、精神的苦痛は甚大だ」と指摘した。

しかし、被告が反省の態度を示していることから「犯行の動機に酌量の余地は無いが、事後の対応で酌むべき事情は認められる」として、懲役3年6カ月の求刑に対し、懲役2年2カ月の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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