東京区検察庁は9日、昨年7月にPRを目的に一般公道で『セグウェイ』を走らせたとして、42歳の輸入販売会社経営の男を道路交通法違反(整備不良車両の運転禁止)で略式起訴した。

東京簡裁は同日に50万円の罰金支払いを男に命じている。

東京区検によると、この男は2003年7月9日の午後、東京都渋谷区神宮前(JR原宿駅周辺)で、デモンストレーターの女性2人にセグウェイを運転させ、一般公道を警察の許可なく走行させた疑い。

警視庁ではセグウェイを独自に入手して検証を進めてきたが、モーター出力が0.9kW以上1.0kW未満だったことから、電動スクーターのような「原動機付き自転車」ではなく、出力0.6KkW以上のカテゴリに位置する「普通自動二輪車」に当たると判断した。

普通自動二輪車の場合、一般公道を走行するためにはバイク用の運転免許が必要であり、さらには前照灯やブレーキ、方向指示器を装着する必要がある。また、自賠責保険への加入が義務付けられている。

セグウェイはシステム上、ブレーキは装着されておらず、ドライバーは体の重心を後方に傾けることで内蔵のジャイロが「ドライバーは止まろうとしている」と判断。減速するという仕組みになっている。デモンストレーションに使用されたセグウェイには方向指示器や前照灯もなく、法的に見ると「整備不良」の状態だった。

このため警視庁では今年2月に、このデモンストレーションを実施した輸入販売会社経営の男を道交法違反容疑で書類送検していた。適用されたのは第62条の「整備不良車両の運転の禁止」で、運転者本人ではなく、運行を指示した側の責任がより重いとされた。

東京区検では慎重に調べを進めてきたが、セグウェイの法的ポジションについては警察見解をそのまま採用。セグウェイ=普通自動二輪車とみなした。

その上で「法律で定められた自賠責保険に加入しておらず、走行に使ったクルマも登録されていないばかりか、ブレーキや方向指示器、ヘッドライトなどの安全装備が装着されていない整備不良状態だった」と認定。男を略式起訴した。東京簡裁は罰金50万円の支払いを命じている。

アメリカの普及も思うようには進んでいないセグウェイだが、今回の司法判断は日本でセグウェイを普及させることも難しいと暗に示している。
《石田真一》