エンジンスターターで暴走---使用法を厳守して

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リモコン式のエンジンスターターを装着したクルマ(MT車)が暴走し、これを避けようとした親子が転倒して軽傷を負った事故で秋田県警は19日、このクルマに装着されていたスターター装置がAT車用だったことを明らかにした。サイドブレーキが掛かっている場合には、ギアがニュートラル位置に無くてもエンジンが始動するようになっていたという。

この事故は17日午前に発生している。秋田県湯沢市内のアパート駐車場からエンジンの掛かったクルマが無人の状態でゆっくりと走り始め、幅員約10mの道路をそのまま横断して向かい側にある別のアパート敷地内に侵入。遊んでいた幼児の三輪車に乗り上げる状態で停止したというもの。

自分たちの方に向かってくるクルマに気がついた母親がこの幼児を抱き上げて逃げようとした際に転倒し、軽いケガを負っている。

暴走したクルマにはリモコン式のエンジンスターターが取り付けられており、このクルマを所有する22歳の女性が乗り込む以前にクーラーを使って車内を冷やそうと、スターターを使っていたことがわかった。

このクルマはマニュアル車で、当時ギアは1速に入っていた。サイドブレーキは掛かっている状態だったが、前進しようとする力の方が強く、暴走してしまったものとみられている。

後の車両検証で、このクルマの場合はクラッチを踏まずともエンジンが始動し、ギアが入っていれば走り出してしまうことがわかった。また、このクルマに装着されていたスターター自体がAT車用で、マニュアル車用の安全装置が付いていないことも判明した。

警察ではクルマを所有している女性が適切な安全確保を怠り、サイドブレーキを甘く掛けた状態にも関わらずエンジンを始動したことが事故につながったとして、引き続き業務上過失傷害と道路交通法(停止措置義務)違反容疑で調べを進めていくとしている。

《石田真一》

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