突然現れる障害物---検察審査会が死亡事故を不起訴不当に

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大阪地検は5日、3年前に起きたバイクを運転していた大学生の転倒死亡事故について、検察審査会の行った「不起訴不当」の議決を受け、事故原因となった段差解消プレートを設置した飲食店経営者を道路交通法違反容疑で略式起訴したことを明らかにした。

この事故は1999年8月2日夜、大阪府堺市内の国道310号線を走行していた原付バイクを運転する大学生が、樹脂製の歩道と車道との段差解消プレートに乗り上げて転倒し、後続車にはねられて死亡したというもの。

捜査を行った大阪府警は「幅員が6メートルと狭く、そこにプレートがあると認識していなければ避けることはできない。並行するクルマがあった場合、このプレートが置かれた歩道寄りを走らざるをえず、事故の一因と考えられる」として、道路交通法違反(道路での禁止行為)容疑で、このプレートを設置した飲食店経営者を送検した。

ところが大阪地検は「原付バイクにプレートを回避する余地はあり、責任の度合いは運転者の方が高い」として、飲食店経営者を嫌疑不十分で不起訴とする判断を行った。これを不服とする大学生の遺族は堺検察審査会に不服申し立てを行った。

審査会は検討を続けてきたが、事故を起こした道路の交通量が比較的多いことや、幅員が狭く大型車と併走状態となった場合には回避スペースがないことから、段差解消プレートを置くのではなく、歩道の切り下げ工事を申請すべきだったと判断し、「不起訴不当」の評決を行った。

検察はこの決定を受け、再捜査を行った結果、この飲食店経営者を略式起訴する判断を行い、通告した。飲食店経営者は通告を受け、5万円を即日納付しているという。

《石田真一》

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