【東京ショー2001速報】VWのカンファレンスはスーパーGT、『W12』に終始

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【東京ショー2001速報】VWのカンファレンスはスーパーGT、『W12』に終始
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フォルクスワーゲン(VW)のプレスブリーフィングは、過去のモーターショーにおける同社のそれとは、およそかけ離れたものだった。ブースの中心に展示されたのは、日本市場で大々的に売り込みたいニュー『パサート』でも、3.2リットルV6エンジンとワイドボディを持つ『ニュービートルRSI』でも、往年の名車を現代のテクノロジーで蘇らせたマイクロバスでもなく、W12エンジンをミッドシップ搭載したプロトタイプのスーパースポーツ『W12』だった。

「エンジンはクルマの魂です。今回の東京モーターショーでわれわれが皆さんにお見せできるもっとも刺激的なものは、W型エンジンです」。来日した本国VWのマネージャー、ビュッフェル・ホッファー氏はこう切り出し、Wエンジンのパフォーマンスに自信を示した。そのW型エンジンのフラッグシップモデルを搭載するW12は、6.0リットルW12エンジン(15度V6をバンク角72度で2基結合させたもの)を搭載。最高出力約440PS、最大トルク約60kgmという高性能ながら、エンジン重量240kgときわめて軽量かつコンパクト。1200kgの軽量車体を生かし、最高速度350km/h以上、0-100km/h加速3.5秒以内を達成している。

このW12はさる11日、24時間平均速度の世界記録に挑み、給油、タイヤ交換などの時間も含め、24時間で7085.7kmを走り、平均速度295.24km/hの世界記録を達成した。

会場では、南イタリアのナルドにある高速周回路での記録樹立のドキュメンタリービデオが流される。ジウジアーロ・デザインの流麗なボディが、300km/hオーバーのスピードで走り抜ける映像は圧巻だ。エンジン音は、普通のV12のような甲高いものではなく、V6を思わせる野太いもの。W12という特殊なレイアウトゆえのサウンドだろう。VWの新境地を垣間見せたプロトタイプ・スーパーカーW12は、今回のモーターショーのなかでももっとも注目に値するモデルのひとつだった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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