新型メルセデスベンツ『SL』の車内では、近頃の新型メルセデスベンツよりさらに一段グレードアップしたクオリティが感じられる。全体がうまくひとつにまとまり、またフィニッシュのレベルもかなうものはない。
ただ、色使いはいまいち。記者が試乗したクルマではレザーとプラスチックの部分に赤が使われすぎている感があるし、全体的としてもけばけばしい印象がなくもない。
アルファロメオのようなバイザーをつけたメーターは、自発光式でなかなかおしゃれなデザインに仕上がっているが、周りの明るさによっては読み取りにくい時もある。ダッシュボードは先代ののっぺりとしたデザインから打って変わり、繊細なデザインに。ベースは『Sクラス』セダンと同じだが、エアコン吹き出し口のあたりなどは、丸みを帯びた斬新なデザインも取り入れている。
シートはゆったりサイズ、クッションはかなり固めに仕上げてある。これはスイッチひとつで姿勢にぴったり合うように調節が可能である。シートベルトは例によってバックレストに設置されている。ステアリングホイールは高さ、角度を調節でき、パーフェクトなドライビングポジションを作り出すことができる。新型開発にあたっては、先代より運転しやすくすることが念頭に置かれた。