これは純粋なデザインスタディ。将来の9-(ナイン・ダッシュ)シリーズを想像させるネーミングだが、スポーツクーペとセダンとユーティリティワゴンをたして3で割ったような、いわゆるクロスオーバー・コンセプトである。
真横から見ると、ウィンドシールドと前輪の位置関係はFRのそれだが、ボンネットフードの中身は3リットルのターボチャージドV6エンジン横置き。4WDである。つまり、スタイリングとメカニズムの間には因果関係はないわけで、その意味からも純粋なデザイン・デモンストレーターであると想像できる。
サーブ・ユーザーの平均年齢はけっこう高い。若者の乗るクルマではない。そこを打破しようという意図が、この9Xには感じられる。全長4156mm、全幅1820mm、全高1365mm、ホイールベース2700mm。4シーター(というより2+2)の室内は、ラゲッジルームが「エクストレイルふう」で、リアゲートを外側に倒すと自転車やサーフボードをそのまま載せられる。