来月開かれるフランクフルト・モーターショーで発表予定のAMG『S63』と『CL63』。そのボンネットの中には大胆に改造されたメルセデスベンツ製V12 DOHC36バルブ・エンジンが収まっている。サイズも472cc大きくなり、なんと驚異の6258cc(標準型は5786cc)。
これを可能にするために、AMGのエンジニアはシリンダー内径を0.5mm広げ、ストロークを6.0mm長くした。パワーは77bhpアップの444bhp、トルクは4400rpmで90Nmアップの620Nm(63.2kgm)! しかもたったの2500rpmで530Nm(54.0kgm)にまでひっぱることができるのだ。
その他、エンジンブロックは強化され、冷却システムの効率もアップ。クランクシャフトも特別に改造された。ピストンは軽量化され、カムシャフトは耐久性が向上、バルブリフトの調整や、大きくなったマニフォールドでエアフローもよりスムーズになった。エンジンマネジメントも見なおされている。排気システムにも手が加えられ、低く響き渡る音色がエンジンのクオリティを約束しているようだ。
忘れてならないのは、この新しいエンジンが現在施行されているEU3排ガス規制だけでなく、2005年から実施される予定のEU4排ガス規制(かなり厳しいものになるとのこと)にも準じているのだ。ただ燃費に関しては妥協しなければいけない。EU複合モード燃費は8.5km/リットル、この優れたパフォーマンスを楽しむには仕方ないと言えるだろう。