身勝手なひき逃げ犯に殺人罪---東京地検が判断

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身勝手なひき逃げ犯に殺人罪---東京地検が判断
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東京地検は24日、交通事故の被害者がまだ生きていることを知りながら、クルマを前後に動かし、致命傷を与えた後に逃走した暴力団組員の容疑を業務上過失致死罪から殺人罪に切り替え、起訴したことを明らかにした。

殺人罪の適用が決まった事故は今年3月19日に起きた。東京都板橋区内の国道254号線で渋滞を避けようとして右折禁止の場所を強引に曲がろうとした暴力団組員運転の乗用車と、対向車線を青信号で直進していたバイクが衝突。バイクを運転していた男性は乗用車の下敷きになる格好となった。

事故の目撃者などがクルマの下敷きになっている男性を確認、「危ないからクルマを動かすな」と叫んだりしたが、暴力団員の男はこれを無視。クルマを前後に動かし、下敷きになった男性を踏み潰しながら逃走した。男性は事故から5時間後に内臓破裂で死亡したが、直接の死因は事故後に何度も踏み潰されたことによる可能性が高いという。

警察では当初、業務上過失致死罪として取調べを行ってきたが、暴力団員の男は「別の強盗事件で執行猶予中であり、無免許運転であることが発覚することを恐れた。もし発覚した場合、刑務所行きは間違いなく、それだけは絶対に避けたかった」と証言。

下敷きにした男性についても「同乗者がまだ生きているらしいと言っていたが、そんなことには構っていられなかった」と言い、下敷きになった男性が死ぬかもしれないことを承知でクルマを動かしたことを「明白な殺意」と認定、殺人罪で起訴することを決めた。

《石田真一》

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