デンソー携帯電話が消える--今後はITS対応端末

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デンソー携帯電話が消える--今後はITS対応端末
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デンソーは11日、携帯電話の国内生産を中止し、今後はその技術を応用した車載情報端末の開発に特化していくという方針を明らかにした。同社は1992年に携帯電話事業に参入したが、最大手のNTTドコモ向け端末供給が出遅れたことでシェアの獲得ができず、低迷していた。

現在、同社が供給する携帯電話端末は、トヨタが出資するKDDI(au)向けと、J-フォン向けのみで、最大手のNTTドコモでは同社製端末は現在ラインナップされていない(自動車電話端末を除く)。KDDI、J-フォン向けについてもシェアの大幅確保はできていないのが原状で、営業赤字は拡大の一方。2000年9月の中間決算では約30億円の赤字を記録している。

このため携帯電話事業からの撤退を決めたもので、今後はKDDI向けを京セラが、J-フォン向けをケンウッドが生産することになった。前者の場合は開発と設計をデンソーが担当するものの、生産は一任。後者は開発も生産もケンウッドに一任することになる。現在、端末を生産している愛知県の高棚製作所は今後、自動車部品の生産拠点に改める予定だという。

ただし、開発部門の解散は行わず、来年以降はITSに特化した通信機器の開発を行い、2005年までに国内50%のシェアを目指す方針。

《石田真一》

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