【F1開幕ダッシュ分析 Part. 1】マクラーレンはダメなのか

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3月4日にオーストラリアで開幕した2001年のF1。その2週後の3月18日にはマレーシアGP、そして4月1日に南米ラウンドのブラジルGPが終了し、4月15日からはヨーロッパラウンドに突入する。不確定要素や機密事項の多いF1だけに、少なくとも開幕3戦をウォッチするまでは今年の戦況分析は難しいと考えていたが、現場の各F1チームのほうがはるかに難しい局面に置かれているようだ。そこで各パートに分けた分析を行ってみようと思う。

マクラーレンの失墜? これは昨年までのF1を良く知るファンの素朴な疑問だろう。開幕直前までは誰もがフェラーリとマクラーレンの2強対決になると信じていたわけだが、蓋を開けてみればフェラーリの独走……と、見えているのが実情だろう。マクラーレンが出遅れた理由をここに挙げるなら、やはり2001年から施行された空力に関するレギュレーション変更が思いの外、F1マシンの性能に影響を及ぼしたと言える。つまりフロントウイングの地上高やサイドポンツーンの拡大、リヤウイングへの規制に対して、フェラーリが正解を導き出しマクラーレンが回答を誤ったと言うことだろうか? 答えはイエスであり、ノーである。

まず最初にことわっておきたいのは、マクラーレンは速いということ。ただしそれは神経質な速さである。一方のフェラーリには、マクラーレンとの相対比較において、はるかにシャシーに安定感があった。

もともと昨年のMP4-15というシャシーは非常に完成されていた。しかしテクニカルディレクターのアドリアン・ニューウィーに「今年のマシンは完全に白紙から作らねばならなかった」と言わせるほど、失われたダウンフォースを取り戻すことに対して腐心させたことは間違いない。その結果に生まれてきた今シーズンのMP4-16は、一見、コンベンショナルな造形を見せているものの、最速を狙う走りの次元ではナーバスな挙動を見せていた。簡単に言ってしまえば、1ラップのうち、各セクターの好タイムが1ラップにまとまらないのである。言い方を変えれば、ある意味、空力に悩みを抱えたMP4-16には、94年のウィリアムズFW16に似た面影すら見えていた……。

ところがF1のトップチームの実力は早くも第3戦の走りに現れたと言えるだろう。ブラジルGPでは、新型のフロントウイングを土曜日に急遽装着してきたことからもうかがえるように、マクラーレンは本来持っているスピードを発揮するためにグランプリスケジュールと同時進行で急ピッチの開発を進めている。クルサードが優勝したのはレースの様々なファクターが絡んだ結果の出来事だと思うが、あの豪雨のなかでスピードと安定感をバランスさせた走りにむしろ注目すべき。レース後のマシン保管場所で見られたハッキネンの笑顔は「MP4-16の弱点克服」というサムアップサインに思えて仕方がないのだ。

《編集部》

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