9年ぶりのアメリカ合衆国での開催となった第15戦アメリカGPは、オーバルとインフィールドセクションを組み合わせた構造を持つインディアナポリス・モータースピードウェイで行われた。レース前に降った雨のために路面が濡れ、ジョニー・ハーバート(ジャガー)を除く全車がレインタイヤでグリッドについた。
スタートで2番グリッドのデイビッド・クルサード(マクラーレン)がポールシッターのミハエル・シューマッハ(フェラーリ)の前に出るものの、フライングの判定が下され、10秒ピットストップのペナルティを受ける。
徐々に路面が乾いてくるに従って各チームが続々とドライタイヤにチェンジ。16周目までレインタイヤで耐えながらマージンを築いたシューマッハをミカ・ハッキネン(マクラーレン)が猛追するが、突然、左リヤセクションから炎を吹いて痛恨のリタイア。ライバルが消えた後は、余裕の走りでシューマッハが今季7勝目を挙げた。
チャンピオンシップ争いは、シューマッハがハッキネンに8ポイント差をつけ王手。次回、鈴鹿でシューマッハがハッキネンに2ポイント差をつければ、優勝回数によって最終戦でリタイアしてもシューマッハのタイトルが決まる。
2位にはチームメイトのルーベンス・バリケロが入り、オーストラリア、カナダに次ぐ3度目のフェラーリ1-2フィニッシュ達成。3位には無限ホンダパワーのハインツハラルド・フレンツェンが入った。BARホンダのジャック・ビルヌーブは惜しくも表彰台を逃す4位だったが、リカルド・ゾンタが6位に入る健闘を見せ、今季2度目のダブル入賞を果たしている。