【会田肇の徹底オーディオテスト】セルシオ&マークレビンソン! うむむ……

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各部分で世界最高水準の仕様を目指したという3代目トヨタ『セルシオ』。そのセルシオに搭載されたオーディオには、驚いたことに、なんと『マークレビンソン』仕様が加えられていた。今回は、そのカーオーディオについて、試聴を含めたレポートをお届けしたい。

この『マークレビンソン』というのは、1972年にアメリカ・コネチカット州にマークレビンソン氏が自らのオーディオに対する想いを果たすために設立したホームオーディオのブランド。以来、世界中のマニアから絶賛される超高級オーディオを数多く世に送り出したメーカーとして知られる。もちろん、『マークレビンソン』にはカーオーディオなど存在しない。カーオーディオを手掛けるメーカーとしては、BOSEやJBLなども存在するが、そこはトヨタ。未だかつて、誰も手を着けていなかった『マークレビンソン』によるチューニングをぜひとも採り入れたいと考えたのだ。

これまでセルシオに搭載されたオーディオを振り返ると、初代のセルシオのサウンドはかなりクォリティの高いものだった。中域の響きがとても素直で、長時間聴いていても聴き疲れのしない高水準のサウンドを備えていた。ところが2代目セルシオでは、時代背景も作用したのだろうが、そのクォリティは明らかにダウンしていた。ボリュームを上げると簡単に腰砕けしてしまい、とてもボリュームを上げる気にはなれない。初代で採用していたエンクロージャーも省かれ、車外への音漏れもかなり大きかった。それだけに、3代目でこの仕様を採り入れたことは、そういった反省に立ってのこととは簡単に推察できる。

さて、標準仕様には、FM/AMチューナー付CDチェンジャー+カセットに9スピーカーのスーパーライブサウンドが備わる(A仕様除く)。CDチェンジャーはセンターコンソール内に収まるマガジンレスタイプで、6枚のCDがダイレクトに装填できる。今回からセルシオでは初めてカセットの代わりにMDが選べるようにもなり、EMV仕様車には6連奏のDVDチェンジャーも組み合わせることができる。ただ、このDVDチェンジャーを備えても、“DTS”や“ドルビーデジタル”には非対応なのは残念だ。

そして注目の『マークレビンソン』仕様。この仕様車には7カ所に全11個のスピーカーが搭載され、マークレビンソンがチューニングしたDSPアンプを組み合わせる。ヘッドユニットはノーマルと同じである。この仕様はDVDナビを含めたEMVとのセットオプションとなるので、この仕様だけをプラスすることはできないが、EMVだけを選ぶことはできる。そこで、スーパーライブサウンド車との価格差を計算すると14万円の差額が出た。これが『マークレビンソン』仕様のお値段となる。

さっそくこの仕様車を試聴してみると、驚いたのが実に安定感があってしっかりとした音作りがなされていることだ。旧型のボリュームを上げるとすぐに腰砕けになってしまう姿は微塵も感じられない。解像度は今ひとつと感じたが、堂々としたサウンドは聴いていてとても頼もしさを感じさせる。これが750時間にもおよぶチューニングの結果なのだ。

以前、スバル『レガシィ』に搭載されていた、『マッキントッシュ』仕様と比べると、音の解像度で今ひとつ及ばない気もしたが、音の厚みという点ではセルシオの『マークレビンソン』仕様が勝る。そして何よりも、内装の立て付けがしっかりといているから、ボリュームを上げてもビビリ音ひとつしない。レガシィではオーディオ自体は素晴らしい出来なのに、各所でビビリ音がしてしまっていた。この差はやはり価格の差なんだろうか。

CDチェンジャーは、ローディングする際に「LOAD」ボタンを押し、ランプの点滅が消えてから挿入するという、クラウンにも搭載されていたものと同じタイプだ。CDを挿入する際はやや煩わしさを感じさせるが、マガジンにCDを1枚ずつ装填する手間を考えれば、こちらの方がずっと使いやすい。トヨタがこだわった、世界で初めての『マークレビンソン』は、その仕上がりも価格的にも充分満足のいくものだった。セルシオの滑るような走りと静粛性と合わせ、高水準の“走るオーディオルーム”が14万円の価格差で手に入るのは大きな魅力となることだろう。

《会田肇》

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