聞いてみたぞ---1枚で最長320分再生の“新MD”

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聞いてみたぞ---1枚で最長320分再生の“新MD”
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1枚のディスクで最長320分もの録音再生ができるMDの新フォーマット『MDLP』が誕生し、10月1日よりカーオーディオ用MDヘッドとしてもソニーからMDX-G55MK2新製品が登場することは既にお伝えした。

この新フォーマットについて簡単に説明すると、それはこれまでMDに使ってきた音声圧縮方式である“ATRAC”の約2倍の圧縮効率を持つ“ATRAC3”を音声データ圧縮方式に採用したもので、録音時間80分のMDの場合では、4倍モードで録音すれば最長320分、2倍モードで録音すると最長160分の高音質ステレオ再生が可能となる。

ここで気になるのはその音質。一般的に圧縮が高くなればなるほど音質劣化はさけられないというのが普通の考え方。そこで、このMDLPはどのぐらいの実力を備えているのか発売を前にいち早くチェックをしてみた。

試聴したのは、99年11月に発売した1DINサイズのFM/AMチューナ付MDヘッドユニット『MDX-G55』に、MDLP機能を搭載したもので、新しい型式名は『MDX-G55MK2』となる。独自開発のデジタルシグナルプロセッサーHX-DSPを採用したり、音像をよりリスナーの前方・上方にクリアに定位させるDSO機能を搭載。さらに運転中でもボリュームなど、各種の調整がしやすいジョグローラーを採用しており、基本的なスペックに変わりはない。

チェックに使ったソースはエリック・クラプトンの「チェンジ・ザ・ワールド」。最初にオリジナルのCDを聴き、次にノーマルMD、MDLP2→MDLP4に切り替えて試聴を行った。もともとオリジナルを録音したMDはメリハリを一段と強めた感じになっていたが、MD同士ではどのモードでも音質に関しての差はほとんど感じることはなかった。これは意外だった。圧縮率が高まればそれだけ音質に変化があって当然と思っていたからだ。

圧縮率が高まるにつれて、若干広がり感がなくなるのは確かに感じられたけど、ドライブミュージックとして楽しむには何の問題もないレベルにあったのは間違いない。MDが登場した頃に言われたような圧縮による音質の劣化は、圧縮技術の向上によってかなり押さえられていたと言っていいだろう。

今のところコンピュータを使うことを前提としているMP3に比べれば、オーディオ機器として単独で使う得るため、MDらしい手軽さはそのまま生かされているMDLPはすでにビクターも対応ミニコンポを発売しており、今後、新世代のMDとして標準化されるのは間違いないだろう。

《会田肇》

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