【F1ブラジルGP 詳細版】成熟のメルセデス・エンジンが新開発のフェラーリ・エンジンに勝てない理由

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曇天の下で行われたF1グランプリ第2戦ブラジルGPは、フェラーリのミハエル・シューマッハーによる完璧な勝利に終わった。スタート直後の燃料積載量を少なくすることで序盤でマクラーレンを抜くという2ストップ作戦をとったフェラーリ。当然そこにはリスクもあったが、大胆にもその作戦を遂行し、スタートでデイビッド・クルサードを、2周目にはミカ・ハッキネンを抜き去った。結果、地元の英雄ルーベンス・バリケッロのファンで真っ赤に染まったスタンドにむけてM.シューマッハーは歓喜のガッツポーズ。

「トップ争いであんなオーバーテイクが見られるのは久しぶりだし、僕自身も楽しかったよ」と、自らのレースを満面の笑みで振り返った。M.シューマッハーが念願の「フェラーリによる」ワールドチャンピオン獲得に向けて見事な開幕ダッシュに成功し、最高のムードでヨーロッパへ戻ることになったのは言うまでもない。また、今回は油圧系のトラブルで惜しくもリタイアに終わったバリケッロだが、マシンの戦闘力には充分満足している様子で、勝利を収める日もそう遠くないと自信を深めている。

一方のマクラーレン勢は予選から抜群の速さを見せて3年連続でブラジルGPのフロントロウを独占したものの、決勝では油圧系のトラブルに見舞われハッキネンは痛恨の2レース連続リタイア。さらに追い打ちをかけるように2位に入ったはずのクルサードのマシンがレース後の車検に引っかかり失格裁定を下されてしまった。

違反と指摘された個所はフロントウイングの翼端版で、最低地上高のレギュレーションから7mm下がっていたというもの(誤差は5mmまで認められる)。チームは「バンピーな路面のせいでシャシーがダメージを受けた不可抗力」と主張。今回の失格裁定に対してすでに控訴を行っている。

それにしても開幕2戦のリザルトは下馬評を覆す結果だと言わざるを得ない。M.シューマッハーの20ポイント獲得に対して、ハッキネンは0ポイント。今回のクルサード失格裁定が覆らなければ、マクラーレン・メルセデスの獲得ポイントは開幕2戦終了時点で「ゼロ」ということになる。

2000年シーズンに向けてメルセデスは従来のFO110Jエンジンを正常進化のかたちでバージョンアップしてきたのに対して、フェラーリは低重心化を目的にバンク角を90度に変更(つまりまったくの新設計)した049エンジンを投入した。信頼性とスピードを考えると「フェラーリは今年もマクラーレン・メルセデスを追う展開になる」と読む関係者が多数だった。

ところが、蓋を開けてみればまったく逆の展開……。予選タイムからも検証できるように、マクラーレン・メルセデスとフェラーリの間に昨年まで存在していた1ラップ=1秒から1.5秒の差が、今シーズンは0.5秒差程度に縮まっている。実際の力関係は、ほぼイーブンと言うことができるのだろうか?

第3戦サンマリノGPが行われるイモラはフェラーリの地元。フェラーリがこのままチャンピオン争いを有利な展開で進めていけるのか、それともマクラーレン・メルセデスの巻き返しがあるのか、多いに注目される。

ブラジルGP順位
1.
M. シューマッハー(フェラーリ)
2. G. フィジケラ(ベネトン)
3. H. H. フレンツェン(ジョーダン)
4. J. トゥルーリ(ジョーダン)
5. R. シューマッハー(ウィリアムズ)
6. J. バトン(ウィリアムズ)

ドライバーズ・ポイント
1.
M. シューマッハー(フェラーリ) 20
2. G. フィジケラ(ベネトン) 8
3. R. バリケッロ(フェラーリ) 6
3. R. シューマッハー(ウィリアムズ) 6
5. H. H. フレンツェン(ジョーダン) 4
6. J. トゥルーリ(ジョーダン) 3
6. J. ビルヌーブ(BARホンダ) 3
8. J. バトン(ウィリアムズ) 1
8. R. ゾンタ(BARホンダ) 1

コンストラクターズ・ポイント
1. フェラーリ 26
2. ベネトン 8
3. ジョーダン 7
3. ウィリアムズ 7
5. BARホンダ 4
《編集部》

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