【ローバー売却】BMWに見捨てられた患者(ローバー)に救いの手は?

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BMWがローバーを売却することが濃厚になってきた。APによると監査委員会が本日召集され、イギリスにおけるローバー乗用車事業を売却するのか、イギリス国外に移転するのか、いっさい休止するのかを検討した。明日には何らかの発表がある模様。

ローバーは94年にBMWに買収されたものの経営は好転せず、BMW自身の経営の重荷になっている。99年1月には吸収合併推進派だったピシェツリーダー社長が解任され、99年1年間の損失は1200億円に達している。そこでローバー部門売却が囁かれるようになったのだが、利益を出しているランドローバーとミニの2部門はBMW傘下にとどまることになりそうだ。

ローバー労働組合のトニー・ウッドリー代表は記者会見で「事業休止より売却を望む」と語っていたが(ロイター)、売却先は簡単には見つからなかったようだ。かねてからローバーの新しいオーナーとしてフォード、VW、ボクソール(GM)などのメーカーの名前があがってきた。

が、イギリス政府のステファン・バイヤー通産相は15日、BMWのヨアヒム・ミルベルグ社長との会談後、BBCラジオにたいし「イギリスの投資家グループ、アルケミー・パートナーが有力候補のひとつである」と述べた。ファイナンシャル・タイムズも同様の観測だ。アルケミーはローバーの販売網も引き取り、ローバーでマーケティング部長を務めたことのあるケビン・モーリーが事業を率いるという。

トニー・ブレア首相は「ロングブリッジ工場維持のためなら何でもする」と議会で発言したとAPは伝える。バーミンガム郊外にあるこのローバー工場はイギリス最大の自動車生産工場であり、ローバー全社で従業員約5万人を抱える。ドイツ・メディアではヒットした映画のタイトルにかけて“イングリッシュ・ペイシェント”(イギリス人の患者)と呼んでいるという。ローバーの命運はいかに?
《高木啓》

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