ホンダは15日、米州本部を廃止して、新たに北米地域本部と南米本部の二組織に再編することなどを柱とした組織改正を、4月1日付で実施すると発表した。
本田は94年6月、地域最適運営の強化をねらいとして日本、米州、欧州、アジア・大洋州の4地域本部制を導入している しかし、その後にブラジルでの4輪車生産も開始したことに加え、南米が「同じ米州圏とはいえ、経済や文化、マーケティングの特性が異なる」ことから、今後も同地域での事業を強化していくためには、北・中米の市場と分離し、対応していくことが適切との結論に至り、今回の組織改正の要因となった。
ホンダはこの「マーケティング特性」にはかなりこだわりを見せ、アメリカでの生産累計台数が500万台を突破したばかりの主力車種『アコード』も、実は日本で販売されるモデル、アメリカで販売されるモデル、ヨーロッパで販売されるモデルは、それぞれ形状も大きさも異なっているのだが、これはあまり知られていない。
ホンダの宗国会長は「当初から5極、6極となることは想定していた」と語り、今後も「中国やインドなどで、新しい地域本部を作ることも考えられる」としている。
また、今回の組織改正では、経営企画部内に「ブランド推進室」を新設するとしており、グローバル規模で戦略的に“ホンダブランド”の訴求を目指していく考えだ。