座談会:201X年、クルマに起こるIT革命 - Discussion - < TOP | 1 2 3 | NEXT >
 マイクロソフトは、Windows Automotive、Microsoft Auto、Windows Embedded CEを自動車市場に投入することで、いまやクルマの情報化を牽引する立場になりつつある。では、彼らが考えるクルマの未来とはいったいどのようなものなのか? なにがいつ起こるのか? マイクロソフト デベロップメント ITS戦略統括部 統括部長 平野元幹氏(以下、MS)を招き、レスポンス 三浦和也編集長(レスポンス)、WIRED VISION 江坂健編集長(Wired)、RBB TODAY 小板謙次編集長(RBB)とともに議論を深めてみたい。

向かって右から、WIRED VISION 江坂健編集長、マイクロソフト ITS戦略統括部 統括部長 平野元幹氏、レスポンス 三浦和也編集長、RBB TODAY 小板謙次編集長

向かって右から、WIRED VISION 江坂健編集長、マイクロソフト ITS戦略統括部 統括部長 平野元幹氏、RBB TODAY 小板謙次編集長、レスポンス 三浦和也編集長
2012年、ついにクルマがインテリジェントロボットになる!?
レスポンス ちょうど東京モーターショーが会期中です。1か月ほど前のフランクフルトモーターショーもそうでしたが、メルセデスベンツが2010年までの環境配慮型パワートレイン投入のロードマップを車種を指定して発表したように、各社ともこれまでのように環境技術を展示するだけではなく、XX年に市場投入するという宣言とともに展示していました。自動車メーカーが、IT業界のように未来の製品のロードマップを発表するというのはきわめて異例ではないでしょうか。今年の特徴がそこに現れていると思います。これから5年間は、各種ハイブリッド、電気、フューエルセル、超コンパクトカーなどモーターショーの箱をひっくり返したような新技術の環境対応カーが登場しそうです。
その一方で、クルマの「情報化・IT化」については、提案こそありましたが、リアルな発表や展示が乏しかったように思えます。しかしそこには、自動車業界全体である種のコンセンサスができているのではないでしょうか。つまり、単にクルマがインターネットにつながってPCと同じことができますというような情報化ではない。クルマの本来の目的である“A地点から任意のB地点へ移動する”という普遍的な価値をいかにサポートするかというところでITを活用していこうという気運です。

MS ITによるドライバーのサポートが現状の情報化だとすると、いまモーターショーの裏側では、クルマを「インテリジェントロボット」にしていくにはどうすべきか。そういう視点の開発が脈々と続いています。そして、その実現の目標を2012年くらいにおいているようです。今は仕込みの段階ですから、今年のモーターショーではまったく出てこないのかもしれません。しかし実際には、おそらく自動車の歴史始まって以来の大きな流れがくるんじゃないかというくらいの意気込みを、私は感じていますよ。

レスポンス “2012年”というのは、クルマをとりまく環境においてポイントになっていて、京都議定書で二酸化炭素排出量削減を目指す最終年であったり、日本政府が2006年1月に発表した「IT新改革戦略」において「2012年までに交通事故死者数を5,000人以下とする」という目標もこの年です。
マイクロソフト 平野元幹氏
マイクロソフト 平野元幹氏
MS まさにその2つが、今の自動車業界最大のロードマップでしょうね。環境問題の観点からより効率的な走りをすることと、死亡者を減らしていくこと。この2つを可能にするIT化であり、クルマのロボット化を目指している。これは一自動車メーカーのレベルの話ではなく、日本の自動車メーカー全体が世界をリードしていくための共通目標となっているように感じます。
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