e燃費でも上位独占!ホンダ車、低燃費の秘密に迫る!
ホンダならではの技術が満載 低燃費テクノロジー最前線 TOPICS1
燃費こそ、環境性能の第一歩 そのチャレンジは、30年以上も前から
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無理とされたマスキー法をクリアしたホンダならではのCVCC技術。初代シビックに搭載され、その技術には世界が震撼した Photo
燃費性能というのは今や世界中の自動車メーカーがメインの課題として掲げているものである。それだけに、その向上というのは命題であるとともに、至難の業でもある。最新かつ独自の技術があってこそ、他を圧する燃費性能を実現することができるのだ。そんななかにあってホンダは独自の燃費技術を続々と開発し、投入してきているのが特徴だ。それが功を奏してのe燃費での上位ランクイン。ここではホンダの燃費技術の全貌を紹介しよう。
Honda Technology 1 エンジン
i-VTEC
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ヘッド/シリンダーまわりだけを見ても、希薄燃焼とそれに対する耐久性の確保など、さまざまな技術が投入されている
ホンダ車の実用燃費のよさの秘密は、エンジンの効率の高さによるところがまずは大きい。現在、ホンダのエンジンは、大きく分けてi-DSIとi-VTECの2タイプがメインだ。フィットなどのコンパクトカーを中心に搭載されているi-DSIエンジンは、各気筒に2個の点火プラグを配することで素早く、均等に燃焼室内の混合気を燃焼させることで燃費性能と高トルク化を実現している。また排ガスに含まれるHCを大幅に低減できるなど、燃費だけでなく排ガスのクリーン化も実現したエンジンである。

いっぽうのi-VTECエンジンは、ホンダ独創のVTEC機構を進化させるとともに、吸気バルブのタイミングを負荷によって可変させるVTCや、DBW(ドライブ・バイ・ワイヤー)によるスロットルバルブとの協調制御により、吸気に伴うポンピングロスを大幅に低減させている。さらに吸気効率やフリクションの低減、そして直噴化による高精度の空燃比制御などにより超希薄燃焼を実現。優れた燃費性能と走行性能を両立したことが特徴といえる。まさに知能を持ったエンジンといっていい。
i-DSl
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スパークプラグがふたつあるからといっても、ただ単純に同時に点火しているわけではなく、吸気の広がりや燃焼の伝播に合わせてタイムラグが設けられている
Honda Technology 2 ホンダマルチマチック
一般的なATよりも燃費性能に優れているCVT。ホンダではホンダマルチマチックと呼ばれ、機構上も他メーカーのものとは異なり、さらに高効率を実現。エンジンとのマッチングを重視し、その持てる性能を最大限に引き出す制御がなされる。さらに注目すべき特徴が、トランスミッションを無段階かつ、任意の変速比で自在に変速が可能だということ。もっとも重視される燃費性能はもちろん、キビキビした走りを実現するためにリニア感を重視したというのがいかにもホンダらしい。まるでドライバーの意志を読み取るかのような変速マップ切り替え制御により、ダイレクトな加減速フィールと優れた燃費を実現した新世代のCVTだ。
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ホンダマルチマチックの特徴のひとつがコンパクトであるということ。その結果、軽量になるなど、さまざまな効果が得られる
Dポジション時のインテリジェント コントロール
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Dに入れた状態でも、つねに走行状況に合わせた最適な制御を行なうことで、ストレスのない走りだけでなく、低燃費を実現している
究極の燃費仕様 ホンダ「ハイブリッドシステム」
新Hondaハイブリッドシステム
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フライホイールのように見えるのが、薄型DCブラシレスモーターで、エンジンとミッションの間にコンパクトに収まる点が特徴となる
シビック ハイブリッドに搭載される新IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システムは、前モデルシビック ハイブリッドやインサイトのIMAシステムの設計思想を受け継ぎながら、さらなる高効率化を目指したユニットだ。 注目のモーターアシスト機構は薄型DCブラシレスモーター、ニッケル水素バッテリー、そしてパワーコントロールユニットによって構成される。モーターは前モデルと同サイズながら、出力を約1.5倍とし、独自開発・生産のインバーターとモーターECUを一体化されることで、より高精度のデジタル制御を可能にしている。さらにモーターアシストだけではなく、エンジン自体の効率もアップさせることで大幅な燃費向上を達成しているのだ。
新Hondaハイブリッドシステム=3ステージi-VTEC+IMAシステム
作動イメージ
3ステージi-VTEC
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エンジンとモーターは走行状況に合わせて、つねに連動しつつ、細かく制御されることで、最大限まで燃費を高めているのだ 停止/低速/高速の3つの状態で制御するので、3ステージi-VTECと呼ばれる。単にバルブの制御だけでなく、スワールなども緻密に管理している
まだある、ホンダ燃費へのこだわりテクノロジー
ホンダの車には、エンジンの効率アップ以外にも燃費向上のためのさまざまな技術が投入されている。例えば電動パワーステアリングや、転がり抵抗の少ないタイヤの採用などがそう。また車重(バネ下重量)の低減も燃費アップには効果的で、シビック ハイブリッドには1本あたり6.90kg(15インチ)という超軽量ホイールが装着されている。それぞれの燃費向上効果はわずかだが、こうした地道な努力の積み重ねが重要なのだ。
超軽量アルミホイール
低転がり抵抗タイヤ
電動パワーステアリング
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低燃費テクノロジー最前線 実走テスト 技術統括に清水和夫が迫る