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インタビュー/コラム:企業人
●「トヨタ共同プロジェクト」年内にドカーンと発表

―― 「スモールカー」でも、先ほどの「ヴイッツ」ではないですが、軽の市場を脅かしたり、逆にダイハツにしても小型車を生産している。ダブっている分野もあって、無意味な競争関係を続けるのは無駄ではないですか。住み分けは意識しないのですか。

山田 競争するといっても、お互いの守備範囲を確認しながら進めるのであれば問題は起こらない。車種によっては当然ラップする部分がありますが、住み分けと言われると、なかなか難しいところがありますね。日本市場を考えますと、トヨタだって販売は5系列あります。ダイハツはダイハツ系列があります。市場ではその5系列は互いに競争してるし、ダイハツも競争している。もちろん、他社とも競合しながら。だからむしろ住み分けというよりはある部分では、ダイハツの販売店とトヨタの販売店5系列は競争関係にある。

―― 小型車では競合してゆくと。

山田 国内販売ではそうですね。しかし、ダイハツは軽自動車の開発技術を応用して小型車に利用するケースが多い。逆にトヨタは普通車からの技術を応用できる。その優れた技術を持ち合って共同開発することだって可能です。特に海外戦略では、小型車の需要は高まるばかりですから、トヨタグループのなかで、結果的に上手く噛み合って、国際競争力をもつような提携にすればメリットは大きいというわけです。
―― ダイハツが小型車から撤退しないのは、海外戦略を意識しているから。

山田 国内でも一所懸命になって販売していますから、そうはっきり決めつけてもらうと困るが、スズキさんが小型車に力を入れられているのはGMさんと共同歩調を合わせて海外展開を積極的に進めようとするためなんだなと、私どもは理解しています。

―― 小型車が“有力な武器”になる。だから、スモールカーの世界では「トヨタ−GMの代理戦争」と言われているわけですね。

山田 そんなことは……。インドにしても長い間、たっぷりと時間を費やされて独自の販売網を築き上げられてこられている。私どもが進出しようと思っても入り込める隙間一つありませんからね。

―― 今度はインドを含めて東南アジアを中心にスモールカーの熾烈な販売競争が繰り広げられそうですね。

山田 スズキはGMグループの中で、年間約90万台を海外で販売しているのに対して、ダイハツは約23万台。トヨタグループのなかで、今後もスモールカー部門としての海外戦略を強化しないと、ダイハツとしての責任が果たせないんじゃないかと思っています。当然、海外ではトヨタとの協力関係を活用することになるでしょう。

―― 東南アジアでダイハツが独自の販売網を築いている地域はまだ少ない。

山田 ベトナムやパキスタンのような小さな市場を除けば、市場規模が大きい地域ではダイハツ独自の販売ルートを持っているのがマレーシアとインドネシアの2つの国だけです。

―― これからアジア地域で有望な国はどこだと思いますか。

山田 たくさんあると思います。小型車市場に向いているかどうかは別としてタイは楽しみ。マレーシアも、スズキさんが先行しているインドもそうだし、ダイハツがこれまで天津市などとライセンス契約で生産していた中国市場も無視できません。

―― これからのダイハツの海外戦略は“山田カラー”が鮮明になることは間違いないようですが、例えば、アジアでのスモールカーの現地生産とかトヨタとの共同プロジェクトが具体化されるのはいつ頃ですか。

山田 頭のなかにはいろいろあるが、まだ最終的には煮詰まっていません。年内までにはドカーンと発表できるように進めたいと思っています。それまで楽しみに待っていてください。


1964年東京大学経済学部卒業後、トヨタ自動車工業株式会社(現在のトヨタ自動車株式会社)入社。1995年に取締役となる。1999年ダイハツ工業株式会社副社長に就任。2000年から社長として指揮をとる。

新聞記者、経済誌編集長を経てフリー経済ジャーナリストへ。財界、自動車、流通、外食、ベンチャーなどの取材を中心に、「週刊ポスト」「週刊エコノミスト」などの雑誌、ネット媒体に執筆中
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