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インタビュー/コラム:企業人
●石原都知事と対決する!?

――改めて言うまでもなく、いすゞの強みといえば、なんといってもディーゼルエンジンですよね。ところが、このところ日本国内でディーゼルエンジンに対する風当たりが相当きつい。東京都の石原慎太郎知事なんかは、ディーゼル車なんか抹殺してしまえといわんばかりに、規制強化に力を注いだ。ディーゼルエンジンに敵意むきだしですよ。にもかかわらず、井田さんはある新聞とのインタビューで「東京都とは敵対しない」と語っていますね。敵意むきだしの相手に、ディーゼルエンジンがいすゞの宝だと言っている井田さんが敵対しないというのは、理解しにくいですよ。

井田 5、6年前だったか、アメリカではディーゼルバッシングがものすごかったんですよ。いまの日本の比ではなかった。アメリカのディーゼルエンジンメーカーはそのバッシングに対抗するため、みんなでお金を出し合って、反論の大キャンペーンを展開しました。いすゞもアメリカでディーゼル車を売らせてもらっているので、それに参加したんです。ところが、正直いってこのキャンペーンの効果はなかった。あれから5、6年過ぎたいまのアメリカでは、石油資源が有限であるという認識が非常に高まっている。今回の石油危機で、石油価格が高騰し、アメリカは自らの備蓄エネルギーを放出しなければならなくなったことが背景にあると思います。石油資源を有効に使うには、軽油を燃料にしているディーゼルエンジンを復活させるべきだという議論が高まってきています。環境を考えて、軽油の硫黄分を少なくするための努力が必要であるとの意見も出てきている。ヨーロッパはすでにディーゼルエンジンが主流になってきています。アメリカもヨーロッパと同じような流れになれば、日本もいずれヨーロッパ、アメリカに歩調を合わせることになりますよ。



――その時が来るまで、訳のわからないのを相手にケンカする必要はないということですか。

井田 訳がわからないとは思っていませんが、世の中がディーゼルエンジンに対して硬直化した考えになっているときには、ひとつの会社の努力ではどうにもなりません。世界の流れがディーゼルエンジンに向いたとき、それを日本でもわかってもらうほうが早いと思っています。

――これまで話をうかがって、井田さんのいすゞ復活にかける意気込みは十二分に伝わってきました。勝算は。

井田 いすゞは商用車で世界のトラックメーカーとの競争に勝つために、グローバルな事業展開をし、トラックメーカーの世界の巨人になろうとしています。幸い、ポーランド、アメリカのディーゼルエンジン工場が軌道に乗ってきており、この大きな基幹の2工場が黒字になれば、いすゞの大きな支えになると思っています。いすゞを世界の巨人にするため、とにかくがむしゃらにやるだけです。

1966年、慶應義塾大学法学部を卒業と同時にいすゞに入社。1990年にFS企画部長。1992年に流通部門、FS企画担当補佐を務めた後に、1994年に取締役に就任。1996年に常務、1999年に専務を経て、昨年12月14日に社長(COO=最高執行責任者)に就任した。

経済誌編集長を経てフリー経済ジャーナリストへ。「週刊文春」「週刊現代」「週刊朝日」「プレジデント」などの雑誌や、「ニュースジャパン」(フジTV)で活躍。著書に「トヨタ創意くふう提案活動」「自動車大ビッグバン」などがある。

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