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多くの読者の気になるポイントである、新B4の走りのダイナミクス性能。プレミアムスポーツセダンの先輩格であり、最大のライバルでもある、アウディA4やBMW3シリーズのポテンシャルに双肩するレベルに到達したのか? また、6気筒/ターボ/NAと、B4同士でもキャラクターの違いによってアレンジされた走りのフィーリングについてもリポートしていく。 |
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ボクが寄稿している米国カー&ドライバー誌の編集部員はみな、BMWの直6が気に入っている。その気持ちはよくわかる。やはり、あの330iの6気筒はとにかく加速感やエンジン音が快感だから。そのフィーリングを研究したSUBARUは、予想を超えて優れた新6気筒を作りあげた。
330iやA4の3.0よりパワーやトルクがあって、しかも高回転域では血が騒ぐほどのカーンという金属音がたまらない。ちなみに、330iの231psとA4の220psに対して、B4の3.0Rは250psを発揮! しかも、B4が200万円以上リーズナブルであることを忘れてはならない。また、2.0GTは280ps(MT車)/260ps(AT車)で、NAの2.0Rは190ps(MT車)/180ps(AT車)。面白いことに、B4のトルクカーブがリニアで中速トルクが幾分薄いのに、0-100m加速では、B4が一番速い。
しかし現時点でのボクのお気に入りは、瞬間的なパンチの効く2.0GTターボ。もちろん6気筒もパワフルなんだけど、息の長い加速フィールは高速クルージングにぴったりと感じる。ボクはターボを卒業したら、6気筒に移ると思うね。ともに30代のポールとアントンも同感だった。
5速ATは、オートマ・モードではエンジンとマッチしていてショックを感じない。ただ、マニュアルモードで走ると多少のショックは感じられる。マイナーチェンジのときには、BMWのSMG、またはアウディのDSGのような、次世代ATをB4にも備えて欲しいと思った。 |
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シルキースムースはBMWだけじゃないとアントンさん。B4の新6気筒エンジンも金属音をともなった官能的な回転フィールが味わえる。 |
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今回、とくに目立ったのは、B4のハンドリングの変更点。まずは、ステアリングのギア比が16.5から15.0に変更されたことによって、ターンインがよりシャープになった。それに合わせてが重めのステアリングに変わり、手応えのあるフィーリングになった。これはアウディとは対照的だ。
A4はわりと正確だけど、いまいち反応が遅れ気味でシャープさを感じない。330iはさすがドライバーズカーということで、ムダがなくピンポイントだ。ステアリングの重さも適度。
でも、B4の高いボディ剛性、ビルシュタイン・ダンパーの硬さ、より効くようになったブレーキの組み合わせが、レガシィをさらにスポーティで安全なクルマにしている。また、B4同士を比べてみると、3.0Rは2.0GTより若干柔らかめの乗り味だ。タイトなワインディングでは2.0GTの方がロールが小さくフラット感を保つ。「3.0Rは、従来型にはないしなやかフィーリングが持ち味だね。舵の効きは正確で、ステアリングを握った人は誰でも、『スポーツプレミアム』味をわかりやすいカタチで演出しているね。」とアントン。 |
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2.0GTターボの舵の効きはつねに精緻でスポーティな印象。同じAWDのA4は、切り始めの部分に曖昧さを感じるフィーリングだった。 |
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3台のB4をまず比較した。一番気になるモデルはやはり3.0Rだった。3.0Rは2.0GTより若干柔らかい設定だから、乗り心地がしなやかで長距離クルーズに合う。これはどう見ても大人の好む乗り味だ。
GTは適度に引き締まったフィーリングで、街なかから、ワインディングまで守備範囲の広い乗り味。その上の18インチタイヤを履くスペックBは、サーキット走行までをカバーする実力を持ち合わせている。3台中で、路面からのショックやうねりを一番しっかりと吸収したモデルは2.0Rだ。これは、アウディやBMWの乗り味に近いぞ。
ボクが考える一番の理想は、330iのダンパー設定とバネレート。B4は排気量によって乗り味は変わってくるが、BMWやアウディに肩を並べるフィーリングであることを実感した。 |
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B4シリーズのベストは2.0R。4気筒エンジンの頭の軽さが好印象につながった。回頭性よくしなやかな印象。いっぽうのA4は、終始突き上げ感をともなう。 |
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やはり世界のスタンダードを上回るのは容易くはない。SUBARUは、'89年にデビューしたレガシィの積み重ねから得た知恵から、'98年のB4を生んだ。そのB4は日本のスポーツセダンの定義を変えるきっかけとなった。だけど、ターボのフラッグシップモデルが輸出されなかったため、世界はこの4年間、それを知らずにきてしまった。とくに米国で「思いきりスポーティ」にイメージチェンジをしようとしているSUBARUは、今回、世界のスポーツセダンのスタンダードに対抗できる優れモノを作った。
デザイン的にも動力性能的にも生まれ変わった新B4は、BMWやアウディと肩を並べるレベルに到達した。しかも、車両価格がドイツ勢の3分の1程度リーズナブルで、スポーツプレミアムを手にできるという点は特筆に値する。
新B4シリーズは、走りの確かさが味わえる、国産唯一無二のMクラスセダンとして、自信をもっておすすめできる1台だといえよう。 |
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春の年度末商戦到来。SUBARUが2004年の今年、創立50周年を迎えたことを記念して充実装備のお買い得モデルを、3月いっぱいの期間限定で発売している。B4シリーズは、ターボの2.0GTと、自然吸気エンジンを搭載する2.0Rに設定。ともにアイボリー色のインテリアカラーに本革およびアルカンターラのコンビネーションシート(2.0Rは電動調整式)を採用し、上質感漂うインテリアを演出。エクステリアでは、光輝塗装を施した17インチアルミホイールを装備して、スポーティなルックスがワンポイントになっている。
価格は、2.0GT:293.0万円(5AT)〜286.0万円(5MT)、2.0R:246.0万円(4AT)〜241.0万円(5MT) |
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