THS クロニクル PART 1 THSモデル ユーザーミーティング10年目のTHS、THSのさらなる開発を担う 小木曽聡エグゼクティブチーフエンジニアを囲んで THS クロニクル PART 1 THSモデル ユーザーミーティング10年目のTHS、THSのさらなる開発を担う 小木曽聡エグゼクティブチーフエンジニアを囲んで
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THSモデル ユーザーミーティング < TOP  1 2 3  NEXT >
ユーザーの力強い声が、THS進化の原動力

――これからは小木曽さんと直接お話しできるせっかくの機会ですから、ハイブリッドの未来につながるような提案も是非、お願いします。

稲垣 私は今のエスティマハイブリッドの車内でDVDの映画を鑑賞したりオーディオを聴いたり聞いていますが、とにかく、バッテリーを充電するためにエンジンをかけっ放し状態にしておくのはもったいないし環境にもよくない。家庭用の電気を車内に引っ張り込めると便利になると思いますね。

仲山 私もオートキャンプに行ってお湯を沸かしたり、電気コンロで簡単な料理するときにそう思いますね。

山本 私はハイブリッドを仲間に「650Vの発電所」を買ったと説明しています。確かに、エンジンをかけっ放し状態はもったいない。それよりも、モーターで走行していると音が静か過ぎて、狭い道でも歩行者が気付いてくれないでヒャっとしたことがよくあります。細かいことですが、安全面でも何とかならないかと思いますね。

稲垣 私も同じです。エンジンの疑似音みたいなものは絶対必要ですね。

小林 うちの妻は、スタートのプッシュボタンを何度も押しても、エンジンがかからないというんです。ハイブリッドとの機能を理解させるのに苦労します(笑い)。

小木曽 そのご指摘、大切なことです。もっともっと普及すれば、わかってもらえると思いますが、メーカー側も誰にでもわかるように優しく説明できるようなアナウンスの方法を考えなければいけないと思っています。

稲垣 それと、新型のエスティマハイブリッドですが、バッテリーの冷却機能がうまくいっていないように思います。とくに夏場だと、回生放棄現象と呼ばれるものですが、回生量が通常の10分の1に減ってしまう。プリウスではそんなことはありませんが、実用燃費を悪くする原因でもあるのでもったいないですね。

仲山 そう、私も気になりますね。新型エスティマハイブリッドに乗っている人の夏場の嘆きですね。

山本 私もホームセンターで小さな扇風機を購入して冷却しています(笑い)。

小木曽 バッテリーの冷却性能の問題になってきますが、気にされる方も多く、まだまだ改良の余地があると思っています。

川出 長距離走行はともかく、近所への買い物や通勤などに使うちょい乗り程度は電気モーターだけで走れるといいですね。

小島 プラグインハイブリッドカーならクリアできそうですか。

小木曽 はい、トヨタはプリウスをベースにしたプラグインハイブリットカーのコンセプトモデルをすでに発表し、現在、市販化に向けた開発に取り組んでいます。家庭用の電源からバッテリーに充電できるようになり、電気のみで走行できる距離と速度が飛躍的に改善されるようになります。現時点では電気のみで走行できる距離は1リッターあたり13km、最高速度は100km/hを想定しています。

稲垣 プリウスのEVモードでは最大走行距離が3km、最高速度が55km/hだから、その進化は相当ですね。
――そのEVモードでの電気走行、みなさんは何kmぐらいが理想的ですか。

小林 ちょい乗りのときでいいから10kmぐらい走れればいいですね。

仲山 私もスーパーが近くにあるので一回の充電で10kmぐらいで満足です。

川出 長ければ長いほどいいですが、搭載するバッテリーも重くなるので私も10〜20km走ればあればいいと思いますね。

稲垣 同感です。

小島 個人的には郊外のショッピングセンターまで片道10km近くあるので、往復を考えると20〜30kmは走りたいですね。

山本 会社まで遠いので50km走れたらいいな(笑い)。それならガソリンはいらなくなりますが、PCのように電源を使い分けられるようになるといいですね。

小木曽 ハイブリッド技術を支えるバッテリーについては、従来のニッケル水素電池に加え、プラグインハイブリッドカーに適しているリチウムイオン電池についても研究開発を強化しています。とくに、トヨタと松下グループで開発中のリチウム電池の量産化の検討も開始したところです。将来的には太陽光のエネルギーなども家庭用電源につなげて走れるようになる可能性もあると考えています。
――話題は尽きませんが、最後に小木曽さんにこれまでの話をまとめてもらいます。

小木曽 いろいろな貴重なご意見ありがとうごいます。ハイブリッド誕生から10年が過ぎたといっても100年余りの自動車の歴史からみれば,成長期の中学生か高校生です。現在プラグインハイブリッドについても家庭用電源からの充電を可能にした、画期的な技術であると考えて、実用化に向けた取り組みを加速していますが、まだまだ飛び越えないと先に進まない高いハードルをたくさん抱えています。しかし、われわれ開発部隊はマラソンと同じように沿道からの応援がいちばんの励みにもなります。これからもみなさんのようなお客様からの“鋭いご意見”を含めた力強い声援を送って頂きながら、できるだけ早い時期に期待に応えられるように精力的に取り組んで行くつもりです。ご期待ください。

――本日のお話をこれからの新車開発に役立てていただければと思います。みなさん、本日はありがとうございました。
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