2001年の第35回東京モーターショーでトヨタが示したのは、水素を燃料として発電を行なう燃料電池車も、ハイブリッドカーの範疇であるとした、「FCHV」(Fuel Cell Hybrid Vehicle)の公表である。
トヨタは、1992年から燃料電池車の開発を続け、ここに発表されたのは、「クルーガーV」をベースとした「FCHV-4」と「FCHV-5」である。
FCHV-4は、25MPaの高圧タンクに圧縮水素ガスを貯蔵し、トヨタが独自開発した最高出力90kWの高性能固体高分子型燃料電池を稼動。発電された電力で、最高出力80kW、最大トルク260N・mの高性能永久磁石式同期型モーターを駆動することにより、ガソリンエンジン車と同等の加速性能を備える。
2次電池としてニッケル水素バッテリーを備え、エネルギー回生を行なう。燃料電池での発電のほか、2次電池を併用してエネルギー回生を活用するシステムであることから、トヨタは燃料電池車もハイブリッドカーと位置づけた。
FCHV-5は、FCHV-4が高圧水素ガスを搭載するのに対し、炭化水素系の液体燃料であるCHF(Clean Hydrocarbon Fuel)を車両に搭載し、トヨタ独自開発による改質器によって水素を取り出し、燃料電池を稼動させる方式の燃料電池車である。液体燃料を使うことにより、既存のガソリンスタンドという社会基盤の活用を視野に入れた燃料電池車だ。装置が小型化できるため、室内空間を犠牲にせずに済むなど、パッケージングの自由度が高いとされた。 |
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