1999年の第33回東京モーターショーでは、97年に「プリウス」が市販されたあとを受け、それに続いてトヨタが提案する新しいハイブリッドシステム「THS-C」(TOYOTA Hybrid System-CVT)の搭載車として、ミニバンの「HV-M4」(Hybrid Vehicle-Minivan 4WD)が出品された。
パワートレーンは、2.4リットル直列4気筒エンジンに、CVTとモーター・ジェネレーターを装備する。この方式は、95年のコンセプトカーのプリウスの構想と同等といえる。
異なるのは、後輪用として、モーターとデファレンシャルを一体構造としたトランスアクスルを持ち、4輪駆動車としている点だ。後輪駆動のためにプロペラシャフトを使う必要がなく、床をフラット化できる利点がある。走行面では、強い駆動力を必要とする際や、姿勢制御のために、リアトランスアクスルのモーター駆動が活用できる。
また、単にハイブリッドカーとして走行性能に勝るだけでなく、約1.5kWの大容量発電が可能であることから、汎用発電機に比べ発電時の排ガスレベルや騒音が低いことを生かし、電力供給車としての可能性を示した。そして、家庭用と同じAC100V電源のコンセントを、室内に3ヵ所、室外に1ヵ所設けている。
HV-M4で公表された機能や装備は、のちの初代「エスティマ・ハイブリッド」で実用化されることになる。 |
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