THS クロニクル プリウスの産みの親が語るTHSの10年間、そして、つぎの10年間 THS クロニクル プリウスの産みの親が語るTHSの10年間、そして、つぎの10年間
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KEY-PERSON INTERVIEW
コスト低減とハイブリッドゆえの新価値 < TOP  1 2 3 4 5  NEXT >
対談フォト01 ――2010年代の初頭にはこれまで10年かかった100万台の販売を年間でという目標が掲げられています。同等のガソリン車との価格差半減、車種の倍増、さらには生産体制の拡充といった課題がありますが、一番大変なのは何でしょうか。

内山田 普及させるための最大のバリアというか、われわれのチャレンジはコストです。それができれば、生産は全然問題ありません。今は他のクルマと混流できるようになりましたから。車種展開については、開発部隊のマンパワーという問題は少しありますが、課題はやはりコストをどれだけ下げられるかですね。

ハイブリッド車は単にバッテリー、モーター、インバーターと思われるかもしれませんが、他の既存部品でもハイブリッド車用に独特の性能が求められるのです。例えばブレーキでも、エネルギー回生のための油圧制御機構があります。色々なところで、お金がかかるんです(笑)。
対談フォト02――技術的なブレークスルーで、そうした課題も一歩一歩克服していくのでしょうが、最後にこれからのハイブリッド像をお聞かせください。

内山田 これまでのハイブリッド車は、従来のクルマとの単純な置き換えみたいになっています。ですが、これからは技術のブレークスルーによって、新たな形態も期待できます。

たとえば、外からも充電できるプラグインというハイブリッド車です。日本の都市部のような走行距離が短い使われ方にはとくに適しています。家庭で充電し、街なかを走るときはモーターだけでクリーンだし、燃料代も安く済む。プラグインは、明らかに今までのクルマとは違う形態であり、ハイブリッド車の新しい可能性です。
PROFILE
内山田竹志氏内山田 竹志(うちやまだ・たけし)

1946年生まれ。69年名大工卒、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。振動・騒音の実験部門、技術管理部などを経て1994年1月に「G21」のチーフエンジニアに就任し、初代『プリウス』開発の陣頭指揮に。98年取締役、2001年常務、03年専務に就任し車両技術本部長、生産管理・物流本部長。05年6月副社長に就任し、生産とTMQを担当。愛知県出身
池原照雄氏池原 照雄(いけはら・てるお)

1950年生まれ。日刊自動車新聞、産経新聞などで自動車、エネルギー、金融、官庁などの記者活動を経て、2000年からフリーランスジャーナリストへ転向。著書に『トヨタVS.ホンダ』(日刊工業新聞社)。レスポンスでは、自動車ビジネスの連載コラム『単眼複眼』を担当するほか、自動車ニュースの主要執筆陣として健筆を振るっている。山口県出身
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