ルート案内中に表示される『リアル交差点拡大図』は政令指定都市の1200カ所が対象。VGAならではの高画質を生かし交差点周辺をリアルに表す。車線もはっきりとわかるのもいい
先の先まで走行すべきレーンを案内する『ハイパーレーンアシスト』。次にレーンチェンジを行なうべきポイントの700m手前でそのふたつ先までをリスト表示して案内する
バーチャルキャラクター「日向えり」がドライブのさまざまなサポートをしてくれる『エージェント機能』。ユーザーの好みを反映させて、最適な道の駅やSAの案内を行なう
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モニターを閉じている時の“顔”、これは一見してはカーナビとは思えない“オーディオ顔”だ。中央部分をブラックとしたことで一段と精悍な顔つきとなり、左右のダイヤルがいっそうオーディオ的な雰囲気を漂わせる。しかし、本体の右下にある「OPEN」ボタンを押してモニターが立ち上がるとその雰囲気は一変する。正面から見ると7.0型ワイドVGAモニターがAVN9904HD本体を隠すような位置でモニターが起き上がる。その姿は閉じていたときのものとはまるで違う“ナビ顔”でもあり、“AV顔”でもある。このふたつの顔こそが、AVN9904HDの個性を表す最大のポイントとなっているのだ。
この状態での操作性はとてもいい。画面に表示されるメニューがアイコンが大きめで、押したときの反応もとてもよい。モニター側に備えられたハードキーについても内容がひと目でわかるものとなっていて、使いやすさは抜群だ。目的地を設定してルート探索を行なうと、その処理速度は半端じゃないほど速い。100km、500kmと目的地を段階的に遠方に設定してみたけれど、ルートを表示するまでの所要時間はほんの数秒。これは途中に中継点を入れてもさほど変わることはなかった。
続いてルート探索を終えて早速試乗を行なってみる。ここで期待の『Satellite Shot』に切り替えてみると、ここでもストレスを感じさせることなく一瞬にして衛星画像による地図を表示した。このモードでの広域／詳細への切り替えも可能で、何よりもその鮮明さには驚かされる。まさに4倍画質の威力！ しかもこのままVICS情報や探索ルート、施設名なども表示するのでカーナビ用地図として使っても何の問題はなし。それどころか、そのリアルな描写によってより臨場感あふれるルート案内が受けられるというわけである。もちろん、分岐点に近づけば用意した3D交差点拡大図や一般交差点拡大図を使って進行方向を的確に案内する。また、3Dジャイロとそれに対応する傾斜データを地図上に収録したことで、都市部の上下に並行している道路上でもその位置が自動的に判別するようにもなっている。まさにカーナビとして基本性能を極めた部分といえるだろう。
そして、もうひとつ極めたもの、それがカーAV機能である。DVDビデオで楽しめるドルビーデジタルやdtsの両モードでの5.1chサラウンドが、4スピーカーにアンプ付きのセンタースピーカーおよびサブウーファーを追加するだけで楽しめるのだ。CDのHDDへの録音もとても使いやすい。CDを挿入すれば自動的に録音モードに入り、そのCDを聞いているうちに途中で録音終了のメッセージが表示される。お気に入りの音楽を楽しみながらHDDにはあとで楽しめる楽曲がどんどん蓄えられていくというわけである。高精細な表示能力と卓越した測位能力、そして楽しさを存分に味わえる多彩なカーAV機能を備えるなど、イクリプスAVNシリーズの最上位モデルとしてふさわしい実力機といえるだろう。（会田肇）
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