[カーマルチメディア・インサイダー]トヨタ e-TOYOTA部 友山茂樹部長
第三世代、プラスアルファ
Shigeki Tomoyama photo
2002年、時はiモードバブルの絶頂期。.........
1997年、トヨタメディアステーションが会員向け情報サービス「MONET」をスタート。これがトヨタのテレマティクスにおける"第一世代"だ。

第二世代「G-BOOK」が始まったのは2002年のこと。通信モジュール「DCM」の内蔵、ユーザーの認証・課金サービスの提供、コンテンツビジネスへの進出。その後、2003年にはセキュリティサービスに大きくシフトした。G-BOOKは自動車メーカーのプロダクトとしてはあまりに幅広く、そして未消化と感じる部分も存在したのは事実である。

---- 今回、G-BOOKは「ALPHA」という新たな名前が付加され、第三世代へと移行しました。サービス内容、そしてデモンストレーションを見て感じたのは、「なるほど、トヨタは2002年の第二世代G-BOOKでこれがやりたかったんだ」という納得です。まず最初に、振り返る意味も込めて、トヨタは第二世代G-BOOKで何を学び、どこをG-BOOK ALPHAのスタート地点に設定したのでしょうか。

友山 まずテレマティクスの世界的な動向・潮流ですが、例えばGMが2007年までにすべてのクルマに事故通報装置を装着することを宣言しました。欧州では2009年までにすべてのクルマに、同じく事故通報装置を取り付けるという動きになっています。グローバルな視点では、『テレマティクスは安全技術である』というスタンスであり、この見方はトヨタも同じです。

---- 日本では、少なくとも、ホンダと日産による第三世代の定義では、『テレマティクスはカーナビの延長線』となっています。

友山 日本だけが特殊な環境にあると思います。それを下支えしているのが、(ユーザー環境における)高機能ケータイと高額で高性能なカーナビの装着率の高さです。日本のテレマティクスは独特な環境により、独特なスタートをしたのだと考えています。

---- IT環境およびユーザーリテラシーの「地域格差」が大きく存在し、日本市場は突出している。

友山 そうです。日本市場の特殊性は我々も理解していましたが、(第二世代)G-BOOKを始めた当初から「安全技術にテレマティクス」を使いたいという強い志がありました。しかし、緊急通報システムにテレマティクスを使おうとすると、堅牢で信頼性のある通信モジュール、それと信頼されるインフラがなければならない。

《インタビュアー=神尾 寿》
《写真=浅見 洋》
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2005年10月14日セミナー開催
G-BOOKギガインデックス[記事アーカイブ]
インターナビ「第三世代の主戦場」今井武(ホンダ) 2004年10月14日
カーウイングス「第三世代の条件」野辺継男/小泉雄一(日産) 2004年9月29日
G-BOOK「“つながる”魅力をクルマに」豊田章男(トヨタ) 2002年9月2日