■なぜHDDをふたつに分ける必要があるのか?
各社次々と投入しているHDDナビ製品。こうした中イクリプスは、20GBのHDDを2個搭載することを選んだ。その理由は大きくふたつある。
ひとつは、衛星画像『イコノス』のデータを収録するために少しでも余裕のあるHDDが必要だったこと。通常、市街地図データや詳細な検索データを収録するだけで約8.5GBという膨大な容量が必要となる。これは片面2層のDVD-ROMに相当する容量だ。『AVN9902HD』ではこれらのデータに加えて、全国8大都市分の衛星画像を収録した。今後さらに収録エリアを増やす計画もあり、20GB程度の容量が最低限必要だったようだ。
もうひとつの理由は、音楽データは地図や検索データと分けて扱えるようにするため。つまりカーナビ機能とオーディオ機能を独立させる必要があったのだ。あらかじめ分けておけば、例えば地図データ更新のためにHDDを外した場合でもオーディオは使える。メーカーとして、どちらかを外すと2DINを占有するすべてが使えなくなることは受け入れがたかったのだろう。カーナビとオーディオの一体型(AVN)をラインナップの中心に置くメーカーらしい配慮と言える。
AVN9902HDでは、一体型ならではのさまざまな機能が用意されている。CDの楽曲をダイレクトにHDDに録音できる機能もそのひとつだ。これは超お手軽で、CDを挿入して再生すると、自動的にHDDへ保存できる(ATRAC3形式)。HDDの容量は20GBもあるので、仮に1曲あたり6MBの容量だとすると約3000曲が収録できる計算だ。またメモリースティックスロットも搭載し、マジックゲートメモリースティックに収録された楽曲を楽しむこともできる。
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