改革あるところに奥田あり
HIROSHI OKUDA
奥田 碩・トヨタ自動車会長が
日本経済団体連合会の初代会長に就任

日本経団連の奥田碩会長へのインタビューは7月15日午後2時から、東京・大手町の経団連会館の会長室で行われた。奇しくも同時刻、長野県議会から不信任された"脱ダム宣言"の田中康夫・長野県知事が失職を表明する記者会見を行っていた。インタビューはこの話題から始まった。

――いま、長野県の田中知事が記者会見で、失職を表明したようです。

奥田氏(以下敬称略) 失職して、再び(知事選に)出馬すると言っているわけだ。やってみればいいじゃない。県民の総意を問えばいい。もし田中さんが知事選で再選されたら、不信任に賛成した県議会議員は自分たちが県民の支持を得られなかったのだから、辞職すべきでしょう。(辞職しないで)座り込んでいるとしたら、県議会はなんだ、ということになるよね。

――奥田さんは以前から、田中知事に「ガンガンやれ」とエールを送っていました。

奥田 あれはね、暗に首相の小泉さんに「もっと国会とガンガンやりあえ」「もっとリーダーシップを発揮しろ」とエールを送ったわけ。

――それにしても、田中前知事にしろ、東京都の石原慎太郎知事にしろ、元気のいい知事が多くなりました。

奥田 三重県の北川さん(正恭知事)も、県政の改革で実績をあげている、元気のいい知事のひとり。その北川さんと、慶應大学の榊原さん(英資教授=元大蔵省財務官)が音頭をとって、7月10日に「地方分権研究会」というのを発足させ、私もメンバーに入った。肩書きはトヨタ自動車会長としてだけど。

「地方分権研究会」には、北川知事のほか、岩手の増田寛也知事、宮城の浅野史郎知事、和歌山の木村良樹知事、福岡の麻生渡知事がメンバーとなり、経済界からは奥田のほか、小林陽太郎・富士ゼロックス会長が。学会からは榊原のほか、川勝平太・国際日本文化研究センター教授、竹内弘高・一橋大学院教授などが加わる。税・財政・産業などの五分野で構造改革案をまとめ、各県で実施する。

《写真=皆川智彦 取材協力=PRESIDENT》


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