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インタビュー:企業人





−−−御社のVGA表示は、映像そのものを合わせて作られているとのこと。相当データ量も増えたでしょうし、地図そのものも変更する必要があった。大変な作業だったでしょうね。コスト的にも相当辛かったのではないですか。

宮川 そうですね。パソコンがどんどん高解像になっていく背景もありましたし、高解像度の画面を介してお客さんに使いやすく、わかりやすいものにするにはどうするべきか、考えました。その結果、新しいデータベースを揃えていくことになったのです。VGAで圧倒的にいいものを作って、それに合わせた地図データベースを組み合わせていく。ただ、これには技術的なネックがあって、4倍描こうと思うといままでのハードやソフトの描画のスピードも4倍ないと、従来機に比べて4倍遅い商品になってしまう。そこで、コンテンツ、表示用デバイスのLSI、地図、ソフトウェアのアルゴリズムなどをトータルに考えて開発をすすめる必要がありました。さらに、ある仕組みを採用することでメモリの効率を大幅に向上させることもやり、ハードウェアのリソースをある部分では大幅削減して、効果的なところには大規模投入する。これでバランスを取り、快適な描写を実現しました。

−−−単純に負担をかけるのではなく、節約するところは節約する。

宮川 ええ。かなり大胆な節約をしましたね。ですから、描画を表現するためのDRAMのサイズは増えましたが、それ以外のところの削減はかなりやっている。ただ、お客さまから見ても、まったく不都合が生じないようなところで削減しましたから、VGAでありながら大幅なコストアップなしに『DV3300』をデビューさせることに成功しました。

−−−その昨年の初代VGAモデル『DV3300』は爆発的に売れました。ユーザーにとってどの部分が受け入れられたと認識されていますか。

宮川 狙いどころとして、高解像度を生かすような描画や、地図表示のコンテンツを組合せましたが、お客さまにはこちらが思った以上に美しさが分かってもらえました。文字がギザギザしないで見やすいなどのポイントを、きちんとご理解いただいた。そこには我われが意識した以上だったところも正直言ってありましたね。

−−−確かに、目で見てわかるものがもっとも訴えやすいものではありますからね。

宮川 とくに量販店でいろんな機種が並んでいると、明らかに目に止まる。この店頭展示ですが、VGAはテレビに映してデモを行うことができないジレンマもありましたが、そこはマーケット戦略として、19インチのパソコン用のモニターをかなりの数ご用意させていただきました。大きなモニター、つまり一目でわかるってものを準備することは、マーケティングを考えると重要なことでした。そういう意味では、お客さまの目に触れるインパクトもさらに大きくなり、さらなる購入の動機につながったという気もします。

−−−パソコンユーザーからの関心も高かったと記憶していますが。

宮川 確かにパソコンユーザーからの問い合わせは多かった。でも、一般のお客さまから見ると、じつはこの画質は常識だったと思います。これまで我われメーカーサイドは、ずっと作ってきたものという意識があって気づきませんでしたが、お客さまにとって字や線のギザギザは違和感があったのではないでしょうか。パソコンを自由に使っていらっしゃる方から見ても、30万円もする商品でなんでそんなに文字がギザギザしてなきゃいけないのか、という納得できない部分があったのでしょう。

−−−松下グループと考えるとITS(Intelligent Transport Systems)関連のその事業部もたくさんあり、ETCやヘルプネット、さらに今後のITSの最新装備を有利な立場で展開されていますね。実際にヘルプネットは市販では唯一利用できるのが御社製品ですし、VICSにしても情報をただ表示するだけではないカーナビ機能との連携が密なのはパナソニックカーナビの特徴ですね。

宮川 そうですね。VICSのときもそうでした。インフラ自体をグループ企業で全部やってましたし、だから端末としてのVICSのスタートも早く切れました。携帯電話もインフラ、端末ともやっています。ヘルプセンターには出資もさせていただいて深く関わっています。

−−−現在のカーナビから一歩すすんでITSの連携といいますか、カーナビがITSの中核になるっていう時代はもう見えてきてると思うんですけども、商品力との結びつきはどのようにお考えですか。たとえばVICSはカーナビにとって、キラーコンテンツですよね。他のITSではようやくETCが始まってきているわけですが、今後カーナビにとってキラーになり得る機能はなんだと思われますか。

宮川 おっしゃるようにヘルプネットが始まり、ETCがスタート切りました。次に来るのがETCでも使われているDSRC(狭域無線通信)技術を使った一般の課金システムです。駐車場の課金システムとか、ドライブスルーの課金など高速道路課金(ETC)以外の一般のフィールドでのあのキャッシュレスの決済が実現に近づいています。これはお客様にとってはかなり大きなメリットになると我々は考えています。





カーナビ・カーAV評論家。モーターマガジン編集者を経て独立後、カーナビやオーディオの評論活動を開始。自動車雑誌や一般誌などを通じて、カーナビやITS関連の執筆を行なっている。著書に「カーナビ選びかた使いかた」(日本実業出版)。1956年生まれ。


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