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カーナビをはじめとする自動車情報化をめぐるマイクロソフトの動きについて、マイクロソフト OEMエンベデッド本部オートモーティブビジネスユニットの清水尚利シニアアカウントマネージャと、モバイル&エンベデッドデバイス本部の松岡正人エグゼクティブプロダクトマネージャの二人に話を聞いた。開発ソリューションベンダーから見たカーナビの動向も興味深い。 |
カーナビ市場の拡大とPND |
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OEMエンベデッド本部
オートモーティブビジネスユニットの
清水尚利シニアアカウントマネージャ |
「世界的にカーナビゲーション市場は、拡大しています。特にPNDが欧州の市場でたいへんな勢いで伸びています」――マイクロソフト OEMエンベデッド本部オートモーティブビジネスユニットの清水尚利シニアアカウントマネージャは語る。清水氏の部署は、Windows AutomotiveとMicrosoft Autoの担当部署だ。
「PNDだけでなく、インダッシュ型も同様です。欧州市場では2009年から2010年頃までPNDの販売が伸び、その後、インダッシュ型の普及が本格化するのではないでしょうか」(清水氏)
PNDとはPortable Navigation Deviceの略で、携帯型カーナビだ。自動車に固定されているタイプではなく、吸盤やアタッチメントでフロントガラスやダッシュボードに取り付ける。
現在の日本では、地図とともに情報を表示する車載据付型(自動車内に固定して設置するタイプ)のカーナビが主流だ。一方で欧米では、数年前まで地図を表示するカーナビの需要は、高いとは言えない状況が続いていた。
PNDは、従来のカーナビに比べ安価なことが特徴である。日本の市場にも登場してきているが3万円から5万円台といったところだ。しかし、たとえば米国では200ドルくらいからで購入できる製品もある。価格の手ごろさから欧州で大ブレークしたPNDは、今後米国や中国などでも普及していくものと予想されている。
機能や価格の競争が激化すると見られる中、開発者にとってはよい組み込みOSの存在は欠かせないはずだ。 |
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Windows Embedded CEとカーナビ |
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モバイル&エンベデッドデバイス本部
松岡正人エグゼクティブプロダクトマネージャ |
モバイル&エンベデッドデバイス本部の松岡正人エグゼクティブプロダクトマネージャによると「マイクロソフトの組み込みOSであるWindows CEは、かなり多くのPNDで使われています」ということだ。
Windows Embedded CEは、32ビットOSなので、8ビット、あるいは16ビットCPUですむような小規模な組み込みシステムには向いていないが、グラフィカルなユーザーインターフェースが必要とされるようなシステムではその強みを発揮する。PNDで使われることが多くなっているのも、うなずける。
たとえば、Windows APIが利用でき、WindowsライクなGUIも利用できる。ポケットPCやPDAはもちろん、オーダーターミナルやハンディターミナルといった業務用端末でも多く使われてきた。
ただし、ポケットPC用のOSと誤解されてしまうことも多かったという。そこで、最新のバージョン6.0では、それまでのWindows CEから、Windows Embedded CEという名称に変更している。「組み込みOSであることをアピールしたいという考えからです」(松岡氏)。
現在Windows CEが採用されたPNDの最大の市場は欧州だ。日本ではすでに新車の2/3に自動車メーカー純正のカーナビが付いている現状を考えると、今後欧州で純正ナビの低価格化が実現していけば、PNDによってカーナビの便利さに目覚めたユーザーが純正ナビを付けた自動車を購入するという流れになっていくだろう。 |
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