それからラチェット機構が非常にスムーズだと感じる。空回りする方向に回すと、そのラチェット機構がキリキリと小さな音を立て、しかし引っ掛かることなく回る。逆に、力を込められる方向に回すとラチェット機構の遊びや甘さがなく、ネジに対して力を強く込められるし、微妙な力加減で回すことも容易だ。ラチェットの方向を決めるノブは意外なほど軽く、また、ドライバーを握った手の親指だけで回せる。実物を触っていただくのが手っ取り早いが、細かな部分が非常に精密・スムーズに作られているという印象で、何というか、大雑把に作ってあるという残念な感触はない。

このドライバーには、ドライバーの軸となる“シャンク”が2本付属している。それぞれの違いはその長さで、用途に合わせてシャンクを交換できるようになっている。シャンク自体はあくまで堅牢でシンプルという感じで、手荒に扱ってもビクともしなそうだ。先端には各種ビットを磁力で装着できるようになっているが、この磁力がビシッと強く、ビットがスルリと抜け落ちるようなことはまずない。なお、シャンクは、交換用として別に数本用意されており、用途に合わせてシャンクだけを買い増せるというわけだ。