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インタビュー/コラム:企業人
[an error occurred while processing this directive] 【安田有三トップインタビュー Vol. 1(後編)】日野との提携強化も大いにあり得る---いすゞ稲生社長
ディーゼルにプライドあり-いすず稲生社長
an INTERVIEW with
稲生武

安田有三

リード

●国内市場が低迷する中、4社は間違った競争をしている

−−最盛期だった1990年には、大型(普通)トラックの国内での全体需要が約20万台だったのが、今では8万台を割り込むなど全需が落ち込み、いすゞをはじめ日野自動車、三菱自動車、日産ディーゼル工業のトラック4社に暗い影を落としています。にもかかわらず、大型トラックをはじめとするトラックの国内販売現場では、大幅な値引きによる乱売合戦に近い販売競争が繰り広げられていますね。

稲生 自動車業界は3つに別れていますよね。登録車、軽自動車、大型トラックの3つです。このうち大型トラックメーカーがいちばん子供っぽいケンカをやっているんですよ(笑)。これだけ赤字になっているのに、大人の競争をしましょうといっても、子供っぽいケンカをやめない。子供っぽいケンカをした結果、企業として税金を払えないし、従業員にも迷惑をかけるこれは本当に異常だと思います。

−−1台1000万円以上する大型トラック1台売っても、販売会社の利益が出ないという状態ですよね。

稲生 人間同士の競争ですから、理想的にはいかない。ですが、程度問題で、大型トラックメーカー同士の販売競争は程度を越えていると思います。

−−大幅値引きという乱売合戦の中で、いすゞはどうするんですか。

稲生 これまでも大幅値引きをせず、正常な販売をやってきましたし、今後もそれを貫きます。その結果、シェア(市場占有率)を落とし、一部批判を受けていますが、この批判は歯をくいしばって堪えるつもりです。企業はやはり収益を出さなければダメですよ。収益を無視してまでシェアにこだわることは今後もしません。

−−全需が8万台を割り込んだ大型トラック市場で、大型4社が競い合っていること自体が異常に見えるんですよ。4社がこれまでどおり存続していくのはとても無理で、再編成は必至のように思えますが、稲生さんは業界再編をどう見ているんですか。

稲生 この質問がいちばん困る(苦笑)。国内市場が低迷する中で、4社あることがいけないのか、4社による競争の仕方が悪いのか、私は後者だと思います。いまのように程度を越えた子供っぽいケンカを続けている限り、3社になっても共存できないでしょうし、2社になってもだめだと思っています。これまでのような競争の仕方を改め、商品力やサービスも含めた営業力で競い合うようにしなければいけません。知恵と工夫と努力の競争でなければ。コスト100円のものを90円とか80円、70円で売るというのは、知恵も工夫も努力もない競争です。

−−何かはぐらかされた感じもしますが、大型トラック業界の再編に絡んで、いすゞと日野がバスの共同事業会社を設立することもあって、いずれ、いすゞと日野は合併するのではないかとの見方があります。いすゞと日野は昔は一緒の会社だったということもありますからね。

稲生 何のための資本提携提携であり、合併なのかを客観的に考えています。私はいつも2枚の図を見ていまして、ひとつの図には日本も含めた世界の自動車メーカー間の資本提携関係が示してあり、もうひとつには資本提携とは関係ない、自動車メーカー同士のビジネスでの関係を示したものです。資本提携関係にこだわらず、ビジネスベースでつながるケースはたくさんあります。いすゞも資本提携関係を超えて、日産自動車、マツダ、本田技研工業とビジネスベースでの付き合いをしています。タイではすでにやっていますが、中国でも今回新たにトヨタ自動車に部品を納入することにしています。

−−そうすると、日野とは合併ということではなく、バス事業以外にも、ビジネスベースでの関係を発展させる可能性はありますか。

稲生 それはイエスです。

−−大型ディーゼルエンジンにはさまざまな種類があり、いすゞ、日野ともほぼ同じようなラインナップですね。両社がそれぞれ同じようなラインナップの大型ディーゼルエンジンを抱えている必要があるのかと考えますと、いすゞが強くて、日野が弱いもの。あるいはその逆というのを相互補完すれば、効率は相当あがると思いますが、こういう形での相互補完関係に踏み込む可能性はありますか。

稲生 ビジネスの可能性としては十分にあると思います。ただし、日野さんといちばんやりやすいというのはありますが、日野さん以外でも可能性があればやります。



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