目的地への到着時刻を指定するだけで、推奨出発時刻が案内されるドライブプランナー。ドライバーの好みも判断材料に加えて、最適なドライブプランを提案する
ルート探索の微妙な条件設定が自在に調整できる「ルートイコライザー」。そのカーブから視覚的にもその設定内容が確認できる。まさに開発者のこだわりが実現させたといえる
BlueTooth対応を果たした通信機能は、ウェザーライブ、オンデマンドVICS、TV番組表の他、コインパーキング「Times」のリアルタイム満空情報を取得することも可能 |
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その外観を見る限り、昨年モデルと大きく変わったところはないようにも見える2005年のHDD[サイバーナビ]。しかし、見えないところでの大幅な改良により、カーナビとしての機能は大きくステージアップを果たしていた。
そのうちもっとも大きく変わったと思われるのが、推奨ルートを中心とした部分。幾度となくサイバーナビの案内の下で試乗を行なってみたが、目的地到着時刻をかなりの精度で正確に表示してみせたのだ。その理由はルート探索におけるアルゴリズムの全面的変更である。外観こそほとんど変わりがないけれど、このルート探索においてはほぼモデルチェンジに近い変更を行なっていたのだ。それは道幅や右左折、踏切といった道路環境までも考慮に入れたアルゴリズムを採用し、前モデルより採用してきた渋滞予測データをプラス。この結果、高精度な目的地到着時刻が表示できるものとなったである。
エージェント能力についても、その実力はさらにレベルアップした。たとえばドライブプランナーでは目的地への到着時刻を設定するだけで最適な出発時刻を案内するようになった。ここには渋滞予測データが加わっている案内であるのはいうまでもない。ルート探索の5つの条件を各レベルごとに任意調整できる「ルートイコライザー」もエージェント能力のひとつ。これまで探索条件はきわめて大雑把にしか行なえなかったが、この機能によって微妙な探索条件が好みに応じて設定可能となったのだ。AV関連においてもエージェントの考え方は行き届いており、それはフィーリングプレイに採用したオートモードでも見ることができる。再生するその時の状況(季節や時刻、天候など)に応じて、カーナビが最適な楽曲を選んで再生するようにもなっているのだ。
3D地図である「ソリッドシティマップ」は、表示エリアを広げ、地図の高さデータを忠実に表現すものとなったが、そのリアル感は実際の状況を把握するのに間違いなく役立っている。そして、評価できるのがそのきわめて正確な測位精度である。右左折時の分岐ポイントは寸分の狂いものなく正確に案内するし、それは細街路にいても同様。また、GPS未受信時で道路をはずれて周回しても、周辺の道路にマッチングすることなく、正確にその位置を表示していた。この精度は、たとえば駐車場内をグルグルと回った後に出口へと出ても正確にその位置と方角を示すことにもつながる。この実力はまさにカーナビとして高く評価できるものであるのは間違いない。
付属のリビングキットの利用範囲が拡大されたのも大きな魅力だ。新たに利用可能となった「ナビスタジオ」を使えば、PCにため込んだ楽曲データを転送したり、インターネット等で見つけた位置情報を地点データとして保存することも可能となる。ダイレクトにブロードバンド環境へ接続することもでき、これによって地図データのバージョンアップまでも対応しているのも見逃せない。さらに通信機能では、オンデマンドVICS情報やコインパーキングの満空情報までも取得可能になった。2005年のサイバーナビは、まさに使えば使いこなすほどその機能が魅力的に思えてくるカーナビへと大きくステップアップしたといっていいだろう。(会田肇) |