トーヨータイヤ TOYO TIRES TRANPATH mp7 × レスポンストーヨータイヤ TOYO TIRES TRANPATH mp7 × レスポンス

TOYO TIRES TRANPATH mp7

TOYO TIRES TRANPATH mp7 MOVIE IMPRESSIONライバルを寄せ付けない!トランパス最新作は確かなウェット性能に注目

TOYO TIRES TRANPATH mp7

MOVIE IMPRESSIONライバルを寄せ付けない!
トランパス最新作は確かな
ウェット性能に注目

ミニバン人気は今も健在で、市場は微かにではあるが増加傾向にある。ミニバンユーザーから熱い支持を受けている「トランパス」シリーズは、ミニバン、軽自動車、SUVなど様々なジャンルのクルマに向けた最適なタイヤをユーザーの許に届けているトーヨータイヤの、まさにミニバン専用タイヤだ。

そのラインナップに新たに加わるTRANPATH mp7(トランパス エムピー セブン)は、ミニバン専用タイヤのスタンダードモデルとして、現行のトランパスmpZを更に進化させたモデルである。14〜18インチまで幅広いラインナップを誇る、まさにトランパスのド真ん中に位置するタイヤと言っていい。

駆動力が強いハイブリッド車にもおすすめな理由とは

トランパスmp7でもっとも力が入れられたのがウェット性能の向上である。雨の日であろうと出掛ける機会が多いのがミニバン。しかも多人数乗車、沢山の荷物を積み込んでという場面も多いだけに、安心できる制動力の確保は、とても重要だ。

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そこでトランパスmp7はウェット性能を向上させるウルトラグリップポリマーを配合したスーパーグリップコンパウンドを採用。高剛性ブロック、接地時の変形を抑制してブロックを点ではなく面で接地させるダイナミックテーパーといった技術を盛り込むことで、ウェットブレーキ性能をトランパスmpZ比15%短縮することに成功したのである。

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接地性の向上は摩耗性能向上にも繋がっている。最近のミニバンの車重は増加傾向。発進時の力強い駆動力がかかるハイブリッド車の割合も増えているだけに、これは嬉しいポイントと言えるだろう。

もちろん、これはミニバン特有のフラつきの抑制にも効いてくる。背が高く、空気抵抗が大きめで、車重も重いミニバンだけに、楽しく走らせるためにも、そして乗員全員が快適に過ごすためにも、ここはミニバン専用タイヤとして欠かせないところである。

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そして忘れてはいけないのがデザイン性だ。トレッドパターンはミニバン用として洗練されたスタイリッシュなものでありながら、大きめのアウト側ブロックによって同時に力強さを感じさせるものになっている。足元に目が行った際に、分かる人にはオッと思わせるデザインと言えるだろう。

これはいいタイヤだな!
しっかり感と転がりの滑らかさを実感

今回の試乗車はフォルクスワーゲン トゥーラン。ドイツ車ということで、もともと高速巡航は得意なクルマなのだが、トランパスmp7との組み合わせでは、まずそのタイヤのしっかり感、そして転がりの滑らかさに感心させられた。進路はビシッと保たれ、風が吹き付けたりしても乱れることはなく、スーッと抵抗感無しにクルマが進んでいく。第一印象で「あっ、これはいいタイヤだな」と実感させられたのである。

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乗り心地も良い。しっかりとした剛性感がある一方で路面と接している部分にはしなやかさもあって、ザラついた路面でも入力のカドをきれいに丸めてくれる。これは静粛性にも効いているようで、どんな路面でもうまく音を抑制してくれている感がある。路面が変わるたびに音量が上下すると、会話が不意に妨げられたりするだけでなく、長い距離を走る時などは、実は結構疲れに繋がってきてしまうものなのだ。

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肝心なフラつきの抑制も、さすが申し分無い。とにかくステアリングの修正の少なさが印象的で、路面が荒れていたりうねっていたりしても、軽く手を添えておくだけできちんと真っ直ぐ走るし、目線がブレないのだ。こうなると、どこまででも走っていきたくなる。きっと、同乗者も同じように感じてくれるに違いない。

これぞ元祖ミニバン専用タイヤの意地!
ショルダー剛性を高め、フラつきを抑制

ワインディングロードでまず感じたのは、これは楽しく走れるタイヤだなということだ。楽しくというのは、ドライバーとしてステアリングを握っていて、キビキビとした反応で走りそれ自体を楽しめるというだけでなく、一緒に乗っている皆もドライブが楽しいに違いないという意味でもある。

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一番効いているのは、トランパスの伝統であるミニバン専用としてフラつきを抑えた設計だろう。ショルダー部分も剛性を高め、しかもダイナミックテーパーにより面でしっかりトレッドを接地させる。また、高剛性ビードフィラーのおかげで、ステアリングを切り込んでいくと、まさに思った通りのラインを容易にトレースできる。

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しかも、少し切り足したり、戻したりといった時にも感触が曖昧ではないので、ステアリング操作を行ったり来たりさせない一度の操作で済む。まさにひと筆書きのコーナリング感覚なのだ。

月並みな言い方をすると、まるで運転が上手くなったかのようなフィーリングである。ドライバーとして気分がアガるのはもちろん、一緒に乗っている皆が気持ちよくなれるに違いない。

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トドメは先代mpZとウェット性能比較へと持ち込む

一般道では幸か不幸か雨に遭遇しなかったので、トランパスmp7のウェット性能を改めてクローズドコースで試した。現行のトランパスmpZと最新のトランパスmp7をその場で乗り比べて、ウェット制動とウェット旋回を試したのである。

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まずはトランパスmpZから試す。加速して100km/hまで速度を上げたところで、ウェット路面でフルブレーキング。正直、良く止まるし、タッチにも不満はない。続いては定常円旋回。速度は大体46〜48km/hくらいで安定している。コントロール性も悪くない。正直、十分に完成されている。

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続いてトランパスmp7で同じようにウェットでのブレーキングを試す。もしかしたら進入速度が1〜2km/h高かったかも?と思いながらブレーキペダルを踏み込むと、しっかり止まってくれた。先程試したトランパスmpZよりも、明らかに手前で。

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定常円旋回でもグリップ力の向上は明らかで、速度は52〜53km/hまで上がった。これだけ差があれば、誰でも体感できることは間違いない。

結論 “しっかり感、静粛性、快適性“は更に進化していた!

高速道路やワインディングロードなど一般道で実感したのは、トランパスがずっと持っていたしっかり感や優れた静粛性といった快適なドライビングを楽しませてくれる性能が、更に進化していたということだ。トランパスらしさが、更に極まった。そんな言い方でもいい。

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そしてウェット路面でのテスト。こちらは正直、驚きだった。ウェット制動性能が15%向上しているというのは分かった上で臨んだのだが、実際によく止まるし、何よりちゃんと止まるということがフィーリングとして伝わってくることに感心させられたのだ。おそらく普段使いでは、雨の中でブレーキペダルに足を乗せた瞬間から信頼感、安心感を抱くことができるだろう。

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トランパスmp7は、ドライバーにとっては楽に、そして快適に、楽しく走ることのできるタイヤと言える。そして同乗者にとっても、身体が揺すられたりすることなくリラックスしたまま、快適なドライブを満喫できるに違いない。

まさにトランパスがこれまで持っていた実力、美点をそのまま引き伸ばしたタイヤ。トランパスmp7が、これまで通りミニバンユーザーにとって目の離せない存在となることは間違いない。

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TEXT:YASUHISA SHIMASHITA
PHOTO:HAYATO TSUCHIYA
MOVIE:JUNJI IWAMOTO
LOCATION:FUJI SPEEDWAY

ナビゲーター

NAVIGATOR

島下泰久YASUHISA SHIMASHITA

1972年神奈川県生まれ。走行性能だけに留まらない、クルマを取り巻くあらゆる事象を守備範囲に自動車専門誌、一般誌、ファッション誌、webなど様々なメディアを舞台に活動。2021-2022 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。国際派モータージャーナリストとして自動車専門誌、Webのほか、経済メディア、ファッション誌などに幅広く寄稿する。2011年より毎年末に『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)を刊行し、通算11冊を数える。YouTubeチャンネル「RIDE NOW」を主宰するなど活動範囲を広げている。