「プロクセス・スポーツ2」「プロクセス・コンフォートlls」MOVIE IMPRESSION

次世代の“低燃費コンフォートタイヤ”の最適解!
トーヨータイヤ「プロクセス CF3」は
心地よくお財布にも優しい

トーヨータイヤから新たに登場した地球環境に優しい低燃費コンフォートタイヤ「プロクセス CF3」。プロクセスといえば、同社が最新の技術を駆使して、走りへの拘りやひとクラス上のコンフォート性を求めるユーザーに向けて商品を展開してきたフラッグシップブランド。それだけにプロクセスのネーミングを低燃費タイヤに与えてきたことに興味をそそられてしまう。

適応サイズを見ると、軽自動車にハッチバック車、コンパクトSUVにセダンまで幅広くラインナップ。つまり、日本で人気を得ているカテゴリーを中心に展開しているタイヤといえる。比較的コンパクトなクルマといっても、軽快さを活かした運動性能も期待されるカテゴリーにあたるだろう。CF3はプロクセスシリーズの中では最も手に取りやすい価格帯に設定されたことで、ユーザーの裾野を拡げるエントリータイヤになりそうだ。

トーヨータイヤ × レスポンス

ではプロクセス CF3はどんな特長をもつタイヤなのだろうか。1つめは低燃費性能とウエット性能を高次元でバランスさせたタイヤであること。2つめはスムーズな走りで快適ドライブを提供すること。3つめは、上記2つのニーズを捉えたタイヤでありながら、環境に配慮したサステナブル素材を採用していることだ。

そもそも店頭やパンフレットで目にする“低燃費タイヤ”という表示は、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が一定の基準のもとで2010年よりラベリングを行っており、転がり抵抗とウエットグリップ性能を消費者に向けて分かりやすく提示したもの。転がり抵抗が『AA』グレード、ウエットグリップが『c』グレード以上の基準を満たす性能が備わったタイヤには『低燃費タイヤ』というラベルが表示される。

トーヨータイヤ × レスポンス

今回は8代目となる新型フォルクスワーゲン『ゴルフ』に205/55R16サイズのタイヤを装着して試走してみるが、このサイズの転がり抵抗は「AA」、ウエット性能は「b」にあたる。エアボリュームをしっかりと確保しているサイズだけにサイドウォールに厚みがあるが、そこにはスムーズな流れを連想させる洗練されたデザインが描かれてあり、“PROXES”のレタリングが誇らしげに刻まれていて、走りへの期待感が高まった。

フラッグシップブランド「プロクセス」ならではの
爽快な操作感も健在

トーヨータイヤ × レスポンス

百聞は一見にしかずということで、さっそく走り出してみることに。首都高速を経由して、東京の景色を楽しみながら、浅草界隈を経由するドライブルート。一般道と高速道路でどのような体験をさせてくれるのか楽しみだ。

まずは発進加速からチェック。乗用車はコンパクトカーでさえ1トン以上の車両重量であるものが多く、発進の際にエネルギーを消耗しがち。その点、プロクセスCF3は発進直後の駆け出しから転がり抵抗の低さを実感させるタイヤに仕上がっている。アクセルペダルを軽く踏み込んでいくだけで、軽やかに目標車速に到達していくイメージだ。

トーヨータイヤ × レスポンス

車速さえ乗ってしまえば、あとは惰性で転がして進めば巡航していける。路面の凹凸の影響で足を取られたり、フラついたりしにくく、車速も安定しやすいタイヤなので、余計な踏み込みを抑えられるぶん、燃料を節約できそうだ。

際立つ静粛性と素直なキャラクター、
コンフォートタイヤに求められる性能を両立

トーヨータイヤ × レスポンス

タイヤはその設計に応じて、路面に接する感触や向きを変えていくときのリズムが異なる。プロクセス CF3はカーブでステアリングを切り込んでいったとき、グイッと曲がったり、あとから遅れて曲がるような変なクセを感じさせない。ドライバーが走るラインをイメージしたなりに、素直に向きを変えていってくれる印象だ。ドイツ車というとステアリングが重たそうな印象を持つ人もいるかも知れないが、切り込む際の手応えは重たすぎず、スッとスムーズに扱えるあたりも煩わしさを感じさせない。

浅草の浅草寺を通りかかると、コロナ禍が落ち着いたこともあって、大勢の観光客で賑わいを見せている。そのぶん行き交う交通量が多く、人力車が路肩に停まっている様子もチラホラ。混雑した場所に差し掛かると、路上駐車のクルマを避けて、すぐに次の交差点を左へといった具合に複雑な動きをとらざるを得ない。プロクセス CF3はこうしたシチュエーションでフットワークが軽くスムーズにクルマが動いてくれるところがいい。

トーヨータイヤ × レスポンス

そんなことを考えながら走っていると、前を走るタクシーが客を見つけて不意なタイミングでブレーキをかけた。前車の減速に対処するため、ブレーキペダルにサッと踏み換えると、その踏み代の分だけ車速を削り取っていく。唐突にグリップし過ぎたりしないから、乗員の上体がゆすられにくいのもいい。

トーヨータイヤ × レスポンス

交通量が少ない場所を走っていて気がついたのは静粛性の高さ。フロア側から響いてくるはずのロードノイズが控えめな印象で、同乗者との会話がしやすい。そのあたりは車速を高めて走る首都高速を巡航している時も同様で、ストレスの少なさにも結びつく。さらに高速走行中は安定性を得やすく、ゆったり構えて走れる感触もいい。

ストレスフリーな走りと経済性を両立、
高い安心感で日々のドライブが快適に

トーヨータイヤ × レスポンス

今回はドライブ中に出くわす様々な環境でプロクセスCF3を試してみたが、転がり抵抗が低い低燃費タイヤでありながら、ストレスが少なく快適に走れるコンフォート性、素直な走りで思い通りに走れる安心感を与えてくれるタイヤだと感じた。

トーヨータイヤ × レスポンス

プロクセスの名前を冠に添えたタイヤとして、これらを実現した技術的な要素はほかにもたくさんある。例えば、路面に接するトレッド面にも工夫が施されていて、プロクセス CF3には左右非対称パターンを採用。タイヤの内側はブレーキの制動性能を重視した設計、外側には操縦安定性に効果をもたらしてしてくれる。横方向には幾重かの断面でステップエッジが刻まれていて、ブロックの倒れ込みを抑制して接地圧力を分散し、ブレーキの効きで効果が得られるそうだ。

トーヨータイヤ × レスポンス

また、葉っぱの形を思わせるパイピングリブはスリットの断面の幅を狭くすることでブロック剛性を高め、その上で路面に接地しやすくなるように最適化が図られている。これも操縦安定性に寄与する工夫のひとつ。それ以外にも、切り込んだサイプを駆使することで、タイヤが路面を叩くパターンノイズや偏摩耗の抑制効果も。プロクセス CF3の転がり抵抗は既存の低燃費スタンダードタイヤであるナノエナジー3 PLUSと比較して約16%低減することに成功し、ウエットブレーキ性能は約4%の短縮に結びついているという。

プロクセス CF3がそのような背反する性能を両立させるという、難しい課題を克服した背景には低燃費コンパウンドの採用がある。最近のタイヤには転がり抵抗低減やウエット制動性能の向上、過度な発熱を抑えるのにシリカを配合することが効果的だとされているが、シリカは凝集しやすい素材であるため均一に混ぜこむことが難しい。そこで、トーヨータイヤは独自に磨き上げたナノバランステクノロジーを駆使することで、プロクセス CF3に再生可能な炭素を含むサステナ素材を使用したシリカ分散剤を配合。転がり抵抗の低減、ウエットグリップ性能、耐摩耗性を高次元で両立したのだ。

トーヨータイヤ × レスポンス

思い通りに走れる気持ち良さと同時に低燃費性能を追求し、環境に配慮した製品づくりにも手を抜かない。クルマが環境と共存するためにやらなければならない課題は沢山あるが、ユーザー側も我慢を強いられることなく、環境負荷の少ないタイヤ選びに貢献できる。トーヨータイヤ「プロクセス CF3」はそんなメッセージを伝えてくれるタイヤだった。

TEXT:TOMOKO FUJISHIMA
MOVIE:JUNJI IWAMOTO
PHOTO:HAYATO TUCHIYA

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藤島知子TOMOKO FUJISHIMA

幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに参戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参戦。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得。現在はクルマの楽しさを少しでも多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、ウェブ媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線という両方向からカーライフ全般をサポートしている。