後席足元空間だけは、やっぱり兄貴分の『ゴルフ』に明確に及ばないけれど、それ以外のクオリティや作り込みレベルに関しては「むしろそれすら凌いでいるのでは!?」と感じられる入魂のコンパクトカーがこのモデル。
各メディアで絶賛されている意味が、最初は理解できなかった。
『MINI』は2ドアハッチバック、観音開き5ドアの「クラブマン」、オープンモデルの「コンバーチブル」の3つのボディタイプで展開。
クラスは違うが、Bセグホットハッチとライバル関係になりそうなのが新型『ゴルフ GTI』(366万円)だ。例えばMINIの「ジョン・クーパー・ワークス」は最高出力がゴルフGTIと同じく211PSで価格は366万円と、文字通りガチンコとなる。
『フィアット500』(195万円〜)は、愛らしいデザインや快活な乗り味が魅力のイタリアンスモールカー。プラットフォームは『パンダ』がベースでボディはMINIよりも小さく、2ドアのみとなる。
新型『ポロ』では“品質の民主化”をキャッチフレーズに開発を進めたとのこと。その志や良しで、確かに外観品質にしても、インテリア回りのデザインや触感などにしても、これまでのポロを大きく上回るレベルの仕上がりを見せている。
MINI 50カムデンを見て、SFのジャンルの「スチームパンク」を連想した。蒸気機関がもしも歴史のなかで淘汰されずに発展していたら……と、レトロフューチャーなストーリーを展開するのがスチームパンク。それはBMWの手によって現代に蘇ったMINIの在り方に符合する。
フィアット500では走りが物足りない、という人にうってつけなのが、その高性能バージョンである『アバルト 500』(295万円)そして『アバルト グランデプント』(270万円)だ。
幌をあけてたたずむ二台のクルマ。『MINIコンバーチブル』と、『ニュービートルカブリオレ』。たたんだ屋根を無骨に背負っちゃって、誤差ナシ製造技術を駆使する21世紀自動車産業のなかでは、妙に異質にみえる。
『207』シリーズのボディタイプは3ドアや5ドア、5ドアワゴン、電動メタルトップを備えたオープンタイプのCCとバリエーション豊か。エンジンも1.4/1.6/1.6直噴ターボとあり、変速機も4AT/5MT/6MTと各種揃う。価格も189万円からと、間口の広さはMINI以上と言えるだろう。
『ルーテシア』はVWポロやプジョー207と同クラスのコンパクトカーだ。
プジョー『207』は、MINIの強力なライバルの1台だと思う。どちらもデザインコンシャスで走りが楽しく、そしてキャラクターに惹かれる点も共通している。だからこそベーシックグレードを選んで、ふだん使いしながら魅力を堪能するのもアリと考えている。
『MiTo(ミト)』は、メーカー自ら「ベイビーアルファ」と称するアルファロメオの最小モデルだ。その2ドアハッチバックボディはMINIより一回り大きいが、キャラクターとしてはアバルト500同様、MINI COOPER S(6MT)が直接のライバル車となる。価格は285万円だ。
MiToの発表試乗会に赴いたときのこと。この小さなアルファロメオを開発した背景として現地のスタッフは、「イタリアでも若者のクルマ離れが進んでいる」ことを挙げていた。
『MINI 50メイフェア』は、2010年9月までの期間限定生産となる特別仕様車で、輝かしい「過去」をイメージしたクラシックな印象を与えるデザインが特徴だ。