2013年5月のフォード フィエスタに関するニュースまとめ一覧

FORD FIESTA フォードのグローバルプロダクトである『フィエスタ』。同社の歴史をけん引してきたモデルだ。1970年代にフィエスタの歴史が始まる。

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フォード『フィエスタ』

1976

1976年に出版された、Edouard Seidler著『フィエスタと呼ぼう』によると、1970年代フォードの開発プロジェクト「ボブキャット」は欧州をまたぐ、当時としては異例の大規模プロジェクトだった。

1976年から市場投入するひとつの車種に対し、当初年産50万台を予定した。エンジンはスペイン バレンシア近郊の新工場にて生産、トランスミッションとディファレンシャルギアを一体化したトランスアクスルの製造は、フランス ボルドー近郊に建設予定だった工場にて。各種パーツはイギリスやドイツから集まることとなった。加えて車両の組み立ては、スペイン、ドイツ、イギリスで実施。この小型車の生産に、フォードは総額10億ドル以上の投資をした。

ボブキャットプロジェクトが果たしてどのようなモデルの投入に至るのか。当時、自動車業界ではさまざまな憶測が飛び交ったが、これについて1975年12月、ヘンリー・フォード2世は「フィエスタ」を発表。情報戦に終止符を打った。「フィエスタ」の名前については、フォードの「F」とフィエスタの「F」。祭り、祭日を示すフィエスタの語彙に伴う楽しいクルマであること。その背景にある、バレンシア工場/スペインとの関係などが考慮されたという。

フィエスタは、フォードで初めて横置きエンジンと前輪駆動を採用。ハッチバックのシャープかつバランスのとれたデザインが、多くのオーナーに受け入れられた。小型車需要を喚起するとともに、好調な販売を続けることになった。

フォード『フィエスタ』

初代フィエスタ MK I は、1976年夏に3車種が発売された。エントリーモデルは1.0リッターエンジンで40馬力、戦略的な価格設定とした。45馬力と53馬力の1.1リッターGHIAモデルも投入し、小型車ながら選択肢の拡充に注力した。

デザインは決して見た目だけのものではない。フロントグリルは低速時は空気を通し、速度が上がるとボンネットに空技が流れる。このシステムにより空気抵抗係数は0.42Cdとした。1.0リッターエンジンで、時速90kmで走行すると100kmあたり5.6リッター、120kmでは8.2リッター、市街地では7.9リッターの燃料消費とした。

経済性はフィエスタの大きなポイントであり、あわせて女性をターゲットとした戦略が功を奏した。車重は700kg、荷室容量は1.2立方メートルとした。車にとって永遠の課題である、重さ、燃費、居住性といった、背反する要素たちを高効率なパッケージにとして収めることでニーズを得た。

1978

イギリスにおいてフィリップ殿下より英国デザイン・カウンシル賞が授与された。

ドイツの自動車雑誌「mot」が実施する「カー・オブ・ザ・イヤー」では、フィエスタは読者の31%以上にあたる約29,000人の得票を得たという。特に販売価格、燃費効率、維持費、リセールバリュー等の分野で1位とした。

1981

発売から32か月、1979年1月9日に、100万台目のフィエスタが生産された。モンテカルロ・ラリーに初参加したしたフィエスタは「フィエスティシマ」とし、車重800kg、ダブル・ウェーバー・キャブレター、ドライオイルパン注油方式を採用、1.6リッターエンジンは155馬力を実現した。結果、初参加ながら10位完走を遂げる。

モータースポーツでの活躍が後押しとなり、販売は好調に推移した。

フォード『フィエスタ』

1981

3月、200万台目の生産に到達。1976年5月から数えて58か月あまりのことだった。

1983

9月にフェイスリフト、新型MK II フィエスタ発表。フォード シエラのエクステリアを取り入れた。低いボンネット、狭いフロントグリル、エッジは丸みを帯び、ヘッドライト形状は従来モデルを継承するデザインとした。空気力学的には抵抗係数が0.42Cdから0.40Cdに向上。インテリアも見直しがなされ、機能別にゾーニング、最適化された空調システムが装備されたことは大きなポイントとなった。

ここではパワートレインの種類を拡充。新たに1.6リッターで54馬力を発生するディーゼルエンジンを採用し、経済性を打ち出した。2代目モデルにより1984年2月には300万台を突破した。

テクノロジー面では1984年、1.3リッターの無鉛ガソリンエンジンを発表、CVTも特許を取得しているフォードの技術のひとつであり、前輪駆動の小型車のために開発されたもの。ギアとエンジンの操作を最適なレベルに保ち、マニュアルとオートマチック変速機の長所を併せ持つ技術とした。

フォード『フィエスタ』

1989

初代の生産開始から約13年。フィエスタ MK III が、1989年2月に登場した。

SCS(ストップコントロールシステム)アンチロックブレーキングシステムを採用し、マニュアルトランスミッションはオプションとした。その他、電気式のウインドースクリーン防氷システム、1.1リッターエンジンと1.4リッターエンジンのCTXオートマチックトランスミッション、新型1.8リッターOHCエンジン、究極の燃費効率を求めたディーゼルエンジン、新しいシートデザイン、安全性の高いドアとステアリングロック、アジャスタブル・シートベルトなどがあった。

ガソリンエンジンは有鉛、無鉛どちらの燃料でも走り、1.0リッターエンジンと1.1リッターエンジンには「リーンバーン」をラインアップ。改良型1.4リッターエンジンと1.6リッターCVHリーンバーンエンジンにより、ガソリンエンジンのラインアップは完成をみた。スポーティなXR2iには、1989年10月に18のモデルラインアップが加わり、エアロパーツなどにより内外装を演出した。

市場導入の1か月後にフィエスタは欧州7か国で同クラスの販売チャートのトップとなった。1976年の初代モデル導入以来、525万台のフィエスタがドイツ、スペイン、イギリスで生産され、多くの賞を受賞した。「What Car?」誌の1989年カー・オブ・ザ・イヤー、「Neue Revue」誌のベスト・シティカー、スペインの1990年カー・オブ・ザ・イヤーなどを受賞した。

フィエスタのスポーティな性格にも磨きがかかった。1990年に高性能なRSターボを導入、1992年には新しい1.8リッター16バルブエンジンで130馬力を発生するフィエスタRS1800iにグレードアップした。

1993

1993年モデルは、事故時の頭部負傷を軽減するためにステアリングホイールに特別なクッションを装備。このほかにも5速マニュアルトランスミッション、RDS自動音量調節付ステレオカセットラジオ、キーコード付盗難予防システム、熱反射ガラスを採用したサンルーフ等を装備した。

1994年には、すべての車両にSRSエアバッグシステムを標準装備すると発表。フォードの安全技術としては大きな取り組みとなった。運転席のSRSエアバッグシステムとともに、オプションとして助手席SRSエアバッグシステムも設定された。側面の衝撃から乗員を保護するためシャシーを強化し、緩められるフロントシートベルトシステム、セーフティステアリングホイール、アンチダイブフロントシート、ガソリン漏出を自動的に遮断する緊急スイッチなども装備された。

フォード『フィエスタ』

1995

1995年後半にフェイスリフトを実施、フィエスタ MK IV を導入して小型車の機種を拡大した。 新型車はゼテックSEマルチバルブ軽合金エンジンを搭載。1.3リッターガソリンエンジンは排気ガスを削減し、エンデュラEと改名。1.8リッターディーゼルエンジンエンデュラDで新たなエンジンラインアップが完成した。

エクステリアは丸みを帯びた。フロントサスペンションには構造を強固にするために補強材を採用。リア部分ではハンドリングを改善するために新しいツイストビーム、アームとトー・コレクティング・ジオメトリーを組み込み、乗り心地を追求した。

インテリアは、人間工学を組み込み、乗員とクルマの安全性はアンチロックブレーキングシステムとトラクションコントロールの組み合わせた。

1999

フランクフルトモーターショーで新モデルを発表。角張ったヘッドライトのついた新しいフロントは同じグループのKa、ピューマ、フォーカスと同様ニューエッジを取り入れたもの。安全設備には、ドライバー、助手席のほかに、SRSサイドエアバッグシステムや4チャンネルアンチロックブレーキシステムを装備した。

新シリーズの中心モデルは1.6リッターゼテックSEエンジンを搭載。フィエスタスポーツは103馬力を発生、195/50タイヤに15インチのアルミホイールが装備された。高剛性ボディとパワフルなブレーキ、さらに最適化されたパワーステアリングと組み合わされた。

2002

この年、フルモデルチェンジがなされ、フィエスタはMK V へと進化。2004年には日本に上陸した。

コンセプトは「Latin Spirit & German Head」。コンパクトカーのアクティブでカジュアルな性格と、欧州フォードならではの実用的かつ高い基本性能を併せ、「フォカース」「モンデオ」譲りのドライビングクオリティを実現した。

2004 フィエスタ試乗記

2005

4月、日本国内でフィエスタSTを発売開始。ホットハッチの名に相応しい、コンパクトなボディと機敏なドライビング・パフォーマンスで受け入れられた。

2006年6月にはSTの新モデルを投入。ヘッドランプ、リアコンビネーションランプなどのデザインを変更した。インテリアは、インストルメントパネルやメータークラスターなどを新たにし、よりスポーティでスタイリッシュに仕上げた。

フォード『フィエスタ』

2008

3月のジュネーブモーターショーで新型が登場。デザインは「キネティックデザイン」に従い、エンジンは、ガソリンが1.25(60PS、80PS)、1.4(91PS)が継続設定、これに新開発の1.6「Ti-VCT」が追加設定。ディーゼルは1.4(68PS)、1.6(90PS)の「TDCi」コモンレール式。トランスミッションは5MT「デュラシフト」、4ATも選べる。

この新型は、オーディオや情報との接続性の高さが特徴のひとつ。MP3プレイヤーを置くのに便利なセンターコンソールのデザイン、AUXオーディオソケット、USBソケットを備える。音声コントロール機能付きブルートゥース接続も対応した。

【ジュネーブモーターショー08】フォード フィエスタ 新型登場

フォード フィエスタ 新型が北米上陸へ

フォード フィエスタ 新型…欧州での販売が絶好調

グロンホルム、パイクスピーク参戦 800psのフィエスタで

【ロサンゼルスモーターショー09】フォード フィエスタ 米国仕様、正式発表へ

フォード フィエスタ 新型、世界累計販売50万台突破

2010

1月、ドイツ・ケルン工場でのフィエスタ MK VI の累計生産台数が、50万台に到達したことを発表した。生産開始から1年5か月での50万台達成とした。

フィエスタは2009年、欧州で52万6000台をセールスし、欧州で2番目に売れた。好調なセールスを受けて、ケルン工場での新型の累計生産台数が50万台に到達。2009年8月の第1号車ラインオフから1年5か月での50万台達成は、同工場の最速記録となった。

記念すべき50万台目は、1.6リットル直4ガソリンエンジン(120ps)を積むフローズンホワイトの3ドアハッチバック車。工場のスタッフに祝福された後、英国の顧客に向けて出荷された。

フォード フィエスタ が欧州ベストセラーに

フォード、ケン・ブロック用にフィエスタのジムカーナ仕様を制作

【パリモーターショー10】フォード、新型WRCマシン公開…フィエスタRS

フォード『フィエスタ』

2014年~現在

1976年の発売以来、世界で1500万台を超える販売実績の積み上げてきたフィエスタ。世界的に競争が激しいBセグメントハッチバックモデルのライバル車種と戦いながら磨きをかけてきた。そして2014年2月1日、新世代のグローバル・デザインと最新のパワートレインによって生まれ変わったフィエスタが、再び日本に導入となった。

パワートレインには「1.0リットル Eco Boost」エンジンに、デュアルクラッチトランスミッション「Power Shift」が組み合わされた。低速時自動ブレーキシステムの「アクティブ・シティストップ」を標準装備する。

1.0リットルで最大トルク170Nmの「1.0リットル EcoBoost」エンジンは、3気筒997ccの小排気量ながら自然吸気の1.6リットル同等以上の性能とし、最高出力は74kW(100PS)/6000rpmとする。燃費性能は、JC08モードで17.7km/リットル。CO2排出量も114グラム/kmと、環境性能も考慮した。この1.0L EcoBoostエンジンは、3年連続でインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー受賞するなど世界で高い評価を獲得している。

ドライバーの運転状況をモニターし、エコドライブにつながる情報をフィードバックすることで燃費改善を促す、「EcoMode」を採用。エコドライブの度合いをグリーンの葉のグラフィックで表示する。

エクステリアデザインは、停まっていても走っているように見える躍動感を表現した「キネティック・デザイン」に進化を加えた。特徴的なのは、高めに位置した台形のフロントグリル、切れ長のヘッドライトで印象的なフロントマスクを目指した。キャラクターラインも重要なデザイン要素としている。

インテリアには、スマートフォンなどの電子デバイスから家具まで、分野を問わずプロダクトを研究し、車室内空間の設計に活かした。質感についてもインテリアパネルの仕上げやシートデザイン、素材のクラフトマンシップを追求した。

加えてフィエスタは、初代に1.6リットルエンジンを積むXR2を発売して以来、エントリーから最高峰レベルまで、広くモータースポーツを支えるモデルとなっている。ラリーの枠にとらわれず、エクストリームスポーツの世界でもクルマの限界に挑戦するパフォーマンスをみせている。

2014 フィエスタ試乗記

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