走らせてまず伝わってきたのは、ボディ剛性の高さ。そしてステアリングを切った途端、驚くほどの旋回フィールを見せてくれた。
日本に導入されるフォーカスのエンジンは自然吸気であるが、トランスミッションのおかげか走った印象は軽快で、新しい感覚の乗り物に乗っている印象がある。
5月23日、オーストラリアの2工場を2016年10月に閉鎖し、現地生産から撤退すると発表した米国の自動車大手、フォードモーター。しかし、輸入車の販売には、力を入れることが分かった。
日本に導入されているのは2.0リットル直噴エンジンにデュアルクラッチ6速ATを搭載した5ドアハッチバックの1車種のみ。このクラスではダウンサイジングされたターボエンジンモデルが多数存在するが『フォーカス』は2.0リットルのNAエンジンのみだ。
パッと目を惹きつけながらも、『フォーカス』のデザインはメルセデス・ベンツ『Aクラス』やボルボ『V40』ほど目立ちすぎない。
走り出した瞬間「あ、フォーカスだ」と思った。そう感じさせる新型『フォーカス』に乗り、このクルマの“ブレのなさ”を実感した。
デザインはもう少しすっきりしてほしいと思うし、293万円という価格はCセグメントの輸入車としては高めじゃないの?という気もする。でもこれまで体験したヨーロッパ・フォードの例に漏れず、乗るといい。
2代目『フォーカス』は、欧州はもとより日本でも、そのハンドリングに関しては高い評価を得ており、3代目がどうなっているかが気になるところであった。結果から述べると、期待を違わず素晴らしいものであった。
いやビックリっスもう、その癒し具合! 正直、見た目はトレンディもいいとこで、流麗なフロントマスクからサイドを通って、リアのこれまた有機的フォルムに繋がるラインなんてある意味エヴァンゲリオン的!? ちょいアニメ的って無難に言い直してもいいですが。
『フォーカス』=“ええクルマ”は、クルマ事情通の間では、昔からの常識だ。
フォードらしい硬派な5ドアハッチバック。ハンドリングはフォード伝統の骨太なものでワインディングロードでのしっかりしたハンドルの操作感はホッとする瞬間である。
フォードモーターの中国法人、フォードチャイナは5月8日、4月の中国新車販売の結果を公表した。総販売台数は7万5331台。前年同月比は37%の大幅増で、13か月連続で前年実績を上回った。
フォードといえば通好みの走りを提案するモデルに定評があるメーカーだが、新型フォーカスも然り、ドライブすることの楽しさを再認識させてくれるクルマに仕上がっている。