トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は30日、東京で行った新型『イスト』発表記者会見で、新潟県中越沖地震による生産停止の影響が約6万台となったことを明らかにするとともに、この減産分は「年内にリカバリーする」との見通しを示した。
新潟県中越沖地震で、生産ラインを停止していた部品メーカーのリケンは、23日から操業を再開し、ピストンリング、シールリング、カムシャフトはほぼ通常通りの稼動になったと発表した。
国内自動車メーカー全12社の国内工場のほとんどの生産停止の原因となったリケンの柏崎事業所および柏崎地区の関係会社で電力が全工場で復旧し、水道も一部で開通した。
「ピストンリング」とはどういうものか紹介しよう。重さにすると1本100gにも満たないが、燃焼時の圧力にも耐えられる強度や耐久性が求められ、近年は燃費向上のため摩擦抵抗も極限まで減らされている、重要部品なのだ。
自動車部品は品質とともにコスト要求も厳しい。「複数拠点で作れば今回のような場合に代替生産も効くが…」と高木常務は言葉を濁す。同じ仕様の部品なら、同一工場で集中生産した方が品質も安定し、コストが安くなる。
すでに設備の約8割については再配置を完了し、一部では試運転に入っているとのことで、実際にランプがともり、稼働している設備があった。高木健一郎常務は「23日の生産再開に向けて頑張っているところ」と。
現段階で、延べ700人を上回る復旧支援部隊がリケン工場群で作業にあたっている。時おり、自動車メーカーや部品メーカーのツナギを来た人を見かける。群馬から応援要員を運んできたのか「SUBARU」と車体に書かれたバスも目の前を通っていった。
リケンの柏崎事業所(新潟県柏崎市)は休みだった16日に被災。直後に設置された同社の「現地対策本部」が調べたところ、ほぼすべての設備について、固定位置がずれたり、転倒する深刻な被害だったことが判明。
16日に発生した新潟県中越沖地震で、柏崎市に本拠のある大手ピストンリングメーカー、リケンが被災した余波が自動車産業に広がっている。最終的には国内12社すべての主要組み立て拠点が稼働を止めるという、前代未聞の事態になった。
ホンダは、新潟県中越沖地震でリケンの柏崎事業所の生産が停止している影響で、20日に続いて23日にも国内の工場で生産を休止すると発表した。
新潟県中越沖地震で、リケンの工場が被災し、操業が停止していることから、国内の自動車メーカーが相次いで生産停止に追い込まれている。さらに、生産停止は部品メーカーにも広がっている。
新潟県中越沖地震で被災し、工場の操業を停止しているリケンは、来週早々に一部で生産を再開できる見通しを明らかにした。
新潟県中越沖地震の影響が自動車メーカーにも飛び火し、大きな打撃を与えている。トヨタ自動車は工場が被災した部品メーカー「リケン」からの部品供給が途絶えたため、19日夕から21日未明まで国内の全12工場の操業を停止することを決めた
トヨタ自動車は、新潟県中越沖地震で、リケンの工場が被災し、部品の手当てができないことから、19日夕方から国内の全工場の生産ラインの操業を停止すると発表した。トヨタは「カンバン方式」で部品の在庫を極力持たずに生産している。
三菱自動車は、新潟県中越沖地震で部品メーカーが生産をストップした影響で、国内工場の操業を停止すると発表した。被災したリケンが生産を停止した影響で、エンジン、トランスミッションなどの一部部品の調達が困難となったため。